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糖尿病治療と仕事を両立するために――中部ろうさい病院における両立支援の取り組み

疾患啓発(スポンサード)

最終更新

2019/12/26

2019 年 12 月 26 日
更新しました
2019 年 05 月 17 日
掲載しました
糖尿病治療と仕事を両立するために――中部ろうさい病院における両立支援の取り組み
中島 英太郎 先生

独立行政法人労働者健康安全機構 中部労災病院 糖尿病・内分泌内科部長

中島 英太郎 先生

目次
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「治療のために仕事を休むことができない」、「病気について職場の理解が得られない」など、病気の治療と仕事の両立に悩んでいる方は多くいらっしゃいます。そのような方に対し、中部ろうさい病院では「治療と仕事の両立支援」に取り組んでいます。特に、糖尿病分野においては、全国の労災病院をリードする中心的な役割を担っています。

今回は、仕事を持つ糖尿病患者さんが抱える問題点と、中部ろうさい病院が行う両立支援について、同病院 糖尿病内分泌内科・糖尿病センター部長である中島英太郎先生にお話を伺いました。

中部ろうさい病院における「治療と仕事の両立支援」

糖尿病分野における中核的施設としての役割を担う

当院の運営母体である独立行政法人労働者健康安全機構は、「がん・糖尿病脳卒中・メンタルヘルス」の患者さんが治療と仕事を両立することを支援しています。2019年からは、これらの4分野にかかわらず、何らかの病気を抱えながら働く全ての人に対して両立支援を行っています。

当院でも、治療就労両立支援センターを設置し、勤労者に対する両立支援に取り組んでいます。特に糖尿病分野においては、全国の労災病院で行われた支援事例の集積・分析・評価を行う施設として、中核的な役割を担っています。

当院の活動内容としては、患者さんに対する直接的な支援活動はもちろん、中核的施設として院外での活動にも積極的に取り組んでいます。たとえば、日本糖尿病学会学術集会での合同シンポジウムへの参加や、糖尿病の両立支援をテーマとした勤労者医療フォーラムを2年に1度開催しています。

また、中小企業の経営者が集まるライオンズクラブと提携して、糖尿病治療と仕事の両立に向けた啓発活動も行っています。そのなかで、中小企業経営者の会員に対して、糖尿病治療に関する知識や会社の休暇制度などに関するアンケートを作成し、その結果を日本糖尿病学会学術集会で発表予定(2019年5月)であるなど、両立支援の充実・発展のために活動しています。

糖尿病治療と仕事の両立における問題点

両立支援の内容についてお話しする前に、糖尿病治療と仕事を両立するうえでの問題点についてお話しします。

通院を中断してしまう方が多い――職場の理解が得られない

糖尿病治療と仕事を両立するうえでの最大の問題点が、「通院を中断してしまう方が多い」ということです。これには、糖尿病という病気に対する世間のイメージが大きく関係しています。

糖尿病というと、「食べ過ぎ、太り過ぎ」など、生活習慣の自己管理ができていないことが原因で起こる病気だと思われがちです。しかし実際には、生活習慣だけが原因ではありません。糖尿病の約90%を占める2型糖尿病は、遺伝的な要因も大きく関与しています。両親が糖尿病の場合には、約70%の確率で子どもに遺伝するともいわれています。また、1型糖尿病は、すい臓から血糖を下げるホルモンであるインスリンが、自己免疫の問題で分泌されなくなるために起こる病気であり、生活習慣とは無関係に発症します。

それにもかかわらず、糖尿病であることを「自己責任」のみと捉えてしまい、通院しづらくなったり、通院のための休みを申し出ても職場の理解が得られなかったりして、通院時間を確保できない方が多くいらっしゃいます。実際に年間約8%の患者さんが、通院を中断されています。特に、仕事を持っている若年男性ほど、中断される方が多いという報告もあります。

合併症を防ぐためには「継続治療」が何よりも重要

糖尿病の治療では、通院を継続し、血糖値のコントロールを行うことが何よりも重要です。通院を勝手にやめて、治療を中断してしまうことで、重大な合併症を引き起こす恐れがあります。たとえば、腎不全で人工透析*が必要となったり、末梢神経障害で下肢の切断を余儀なくされたりすることもあります。

ただし、これらの合併症が発症するまでには長い時間がかかるため、患者さんご自身が病気に対する危機感を抱いていないこともあります。そのため、治療よりも今日やるべき仕事が優先となってしまい、通院を中断してしまうケースもあるようです。

このような問題を踏まえたうえで、仕事を持つ糖尿病患者さんに対する支援を行う必要があります。

*人工透析…腎臓の代わりに、機械を使って人工的に血液をろ過する治療

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