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埼玉県立がんセンターのがんゲノム医療センターとは? ゲノム検査の実際

埼玉県立がんセンターのがんゲノム医療センターとは? ゲノム検査の実際
酒井 洋 先生

埼玉県立がんセンター 呼吸器内科 科長兼部長

酒井 洋 先生

目次
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埼玉県立がんセンターは、2018年よりがんゲノム医療中核拠点病院*である東京大学医学部附属病院と連携する病院に指定され、ゲノム医療を推進してきました。2019年6月より、標準治療を終えたがん患者さんに対するゲノム医療が保険診療となったことにあわせて、同年7月に院内にがんゲノム医療センターを設置しています。さらに同年9月には、埼玉県立がんセンターを含む34施設ががんゲノム医療拠点病院**として厚生労働省より指定されたことによって、受診から治療までの全ての過程を、埼玉県立がんセンター内で一貫して受けることが可能になりました。

本記事では、埼玉県立がんセンターの肺がんに対するゲノム医療の実際について、同院の呼吸器内科長兼部長 酒井 洋先生に伺いました。

*がんゲノム医療中核拠点病院:厚生労働省が定める、がんゲノム医療を牽引する高度な医療を提供する施設

**がんゲノム医療拠点病院:厚生労働省が定める、がんゲノム医療中核拠点病院と同じ医療機能を持つ施設

ゲノム医療について詳しくは、記事2『肺がんに対するゲノム医療とは』をご覧ください。

埼玉県立がんセンターのがんゲノム医療センターとは

埼玉県立がんセンターのがんゲノム医療センターとは

埼玉県立がんセンターは、2018年にがんゲノム医療中核拠点病院である東京大学医学部附属病院のがんゲノム医療連携病院に指定され、2019年7月にがんゲノム医療センターを設置しました。がんゲノム医療センターには、臨床情報やゲノム情報を担当するデータ管理室、臨床遺伝・遺伝カウンセリング室、ゲノム解析室、検体管理室、事務局を備えています。

がんゲノム医療センターでは、以下のことを心掛けてゲノム医療に取り組んでいます。

1)わかりやすい検査の説明

2)検査に適したがん組織標本の準備

3)精度の高い遺伝子解析

4)得られた結果の解釈や治験情報

5)わかりやすい結果の説明や遺伝カウンセリング

6)臨床情報の収集・登録など多岐にわたるため、様々な医療スタッフ・専門家の連携・協力

がんゲノム医療センターの特徴

受診から治療までの全過程を院内で一貫して受けることが可能に

これまで埼玉県立がんセンターはがんゲノム医療連携病院として、がんゲノム医療中核拠点病院である東京大学医学部附属病院へ患者さんを積極的に紹介し、がんゲノム医療を推し進めてきました。一方で、治療方針決定のため、患者さんは東京大学医学部附属病院に通院する必要があり、負担となっていました。

しかし、2019年9月にがんゲノム医療拠点病院として指定されたことにより、東京大学医学部附属病院を経由せず、受診から治療までの全ての過程を、埼玉県立がんセンターの院内で受けることが可能になりました。

がんゲノム医療センターにおけるがんゲノム検査の流れ

埼玉県立がんセンターでの、がんゲノム検査を受けるときの流れをご説明いたします。

当センターにて診療中の患者さんに対しては、担当医を通して検査を行っています。また、当センター外からの患者さんに対しては、2020年1月現在受け入れ体制を整備中です。

酒井先生からのメッセージ

酒井先生からのメッセージ

標準治療を受けているうちにがんゲノム医療の検討を

がんゲノム検査を受ければ新しい治療薬が見つかるかもしれないということを、ぜひ皆さんに知っておいていただきたいと考えています。標準治療を受けていらっしゃる患者さんにがんゲノム医療の説明をしても、「まだ治療法が残されているから、自分には関係のない話だ」と他人事に捉えてしまう方が多いのではないかと思っているからです。

それから、標準治療を終えてからゲノム医療を検討するのではなく、標準治療の半ばごろにがんゲノム医療を検討していただきたいと考えています。がんゲノム医療を受けるとしても、ゲノム検査をしてから結果が出るまで1~2か月の期間を要しますし、結果が出てからでなければ治療を行うことはできません。そのため、少しでもご自身の体が元気なうちに検査を受けていただきたいと思います。標準治療がなくなっても、決して諦めず、積極的にゲノム検査を受けていただけると幸いです。それから、がん治療は日進月歩です。ステージ4の進行肺がんは、5年生存率が4~5%でした(診断年が2006~2008年のデータ)。しかし、近年は治療薬が進化し、免疫チェックポイント阻害剤の登場後、5年生存率は16%程度まで改善してきています。

希望を捨てずに、前向きに治療を頑張っていきましょう。