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低身長の原因を調べる検査・診断について

低身長の原因を調べる検査・診断について
田嶼 朝子 先生

埼玉県立小児医療センター 代謝内分泌科 医長

田嶼 朝子 先生

目次
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身長は個性の1つであるものの、平均身長よりもかなり低い、あるいは身長の伸びが遅い場合、まれに病気が隠れていることがあります。病気であれば早期発見・早期治療が重要ですので、気になることがあれば早めに医療機関を受診したいものです。低身長を疑って受診した場合、どのような検査が行われるのでしょうか。今回は、埼玉県立小児医療センター 代謝・内分泌科 医長の田嶼 朝子(たじま あさこ)先生に、子どもの低身長の原因を調べる検査・診断方法について教えていただきました。

ほかの子どもと比べて極端に身長が低い、あるいは身長の伸びが遅れていると感じたら、まずはかかりつけの小児科に相談してください。必要に応じて、低身長の検査を受けられる医療機関を紹介してもらいましょう。

低身長を心配して医療機関を受診される理由として、もともと体が小さく成長に不安を感じていたから、乳幼児健診や学校健診で低身長を指摘されたから、というご家族が多いようです。

学校健診での成長曲線から低身長が疑われることもありますが、ご家庭で成長記録をつけたところ、標準的な範囲から外れていることに気付いて受診される場合もあります。

成長曲線とは、男女別、年齢別に多くの子どもの身長・体重のデータを集め、その平均値や標準偏差を表した曲線です。標準偏差曲線(SD曲線)上でお子さんの身長がどのあたりにあるかを見ることによって、平均からどの程度離れているかが分かります。身長の伸びが標準的な範囲(-2.0SD~+2.0SD ) の中にあり、曲線から大きく外れていなければ問題はありません。

学校健診で指摘されたり、幼稚園や保育園でほかのお子さんと関わるようになって身長が気になったりと、受診されるお子さんの年齢はさまざまですが、ご家族が不安を感じて受診されるのは小学校の入学前あたりが多い印象です。就学前に調べておきたいと考えられるのかもしれません。そのほか、脳に何らかの病気があってホルモンの分泌が不足しているなど、他科の診療を受けていたお子さんが紹介される場合もあります。

受診に適した年齢を明言するのは難しいですが、2~3歳までは栄養の摂取が成長に影響することを考えると、そこまでは様子を見てもよいと思われます。ただし、3歳未満の健診で低身長の指摘を受けた場合、食生活や生活リズムの乱れなどが原因と考えられることもあるため、受診をすすめられたら早めに対応したほうがよいでしょう。ほかに気になる症状があるときは、年齢に関係なく検査を考えます。

まずは問診を行い、低身長の原因として考えられる病気を念頭に診察します。診察では手足のバランスや二次性徴(思春期になって表れる男女の体の変化)の進み具合なども含めて確認していきます。

その後、血液検査や尿検査を行い、全身状態を評価するとともに、成長に影響するホルモンの分泌具合を調べます。

次に、骨の成長具合や骨に関わる病気が隠れていないか確認する目的で頭、腰、手(左手)のX線検査を行います。手のX線検査では、数か所の骨の形を観察することにより骨の成長具合を評価する骨年齢を計算し、骨の成長と実年齢との間に差があるか、あればどの程度なのかを確認します。

そのほか、必要に応じてほかの検査を行うこともあります。

低身長の診察においては、詳細な問診が大変重要です。ご家族には主に以下のようなことをお聞きします。

  • お子さんが生まれたときの様子はどうだったか(何週何日で生まれたか、出生時の身長・体重、お腹にいたときの発育状態など)
  • これまでのお子さんの成長具合
  • これまでにかかったことのある病気、使ったことのある薬(特にステロイド薬を使ったことがあるかどうか)
  • 生活背景について(食事量や偏食がないかどうか、定期的な運動習慣はあるか、就寝時刻・起床時刻、ぐっすり眠れているか)
  • 多飲・多尿はないか
  • 頭痛、吐き気、視力低下などの症状はないか
  • 家族の体格、両親の二次性徴が何歳頃から始まったか

など

また、これまでの成長について把握するには成長曲線の確認が重要です。受診の際には母子手帳のほか、幼稚園・保育園・小学校・中学校などの健診の記録(成長記録)を持参するとよいでしょう。

低身長のお子さんの一部は、成長ホルモン補充療法による治療が可能です。埼玉県立小児医療センターではその診断や適応を確認する目的で、3泊4日の入院検査を実施しています。

当センターで入院検査を検討するのは下記の3つの場合です。

  • 成長曲線が-2.5SDを下回る場合
  • 身長の伸びが急に悪くなった場合
  • 生まれたときの週数に対して小さく生まれ、3歳を過ぎて-2.5SD未満である場合(SGA性低身長症)

まれではありますが、-2.5SDを完全に下回らなくても-2.0SDを超えないまま成長率が改善しない場合、ご家族と相談して入院検査を行うこともあります。

当センターでは、入院翌日から、午前中を使って成長ホルモン分泌刺激試験を行います。成長ホルモンを刺激する薬を投与し、成長ホルモンの分泌状況を血液検査で確認します。

投与前(0分)、投与してから30分後、60分後、90分後、120分後の計5回採血をして、ホルモンの分泌量を確認します。採血を正確なタイミングで行うため、また採血に対するお子さんの負担を減らすために、はじめに点滴の針を腕に刺して、そこから血液を採取するようにします。

成長ホルモン分泌刺激試験は、検査前日の夜から検査が終わる昼近くまで飲食を止めます。また、検査が始まる30分ほど前から検査が終わるまでずっとベッドで安静にしていなければなりません。この2点をお子さんに頑張ってもらい確実に検査を行うため、当センターでは入院をお願いしています。

この成長ホルモン分泌刺激試験がもっとも重要な検査ですが、必要に応じてX線検査や頭部のMRI検査を追加します。

食事を長時間取れないと具合が悪くなる可能性のある体が小さいお子さんや、ベッドにじっとしているのが難しそうなお子さんには、ご家族と相談して検査入院を先送りすることもあります。当センターで入院検査を行うのは、一番低い年齢としては4歳ぐらいのお子さんが多いです。

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