婦人科形成とは――どんなお悩み・症状の解決につながる治療ができるの？

デリケートゾーンの不快感や痛み、女性器の見た目のコンプレックス、加齢による骨盤底機能の衰えなどに悩む女性は少なくありません。近年は、このような悩みの解決を目指して“婦人科形成”を受ける方が徐々に増えているようです。

オザキクリニックでは、婦人科形成の実績を持つ女性医師による治療、アドバイスを行っており、デリケートゾーンのさまざまなお悩みを改善に導いています。婦人科形成とは、どのような治療を指すのでしょうか。今回は、同クリニック新宿院 院長の藤﨑 章子(ふじさき あきこ)先生に、婦人科形成の特徴について解説していただきました。

婦人科形成とは？

女性器の形状や大きさにはもともと個人差があり、さらに妊娠・出産や加齢により状態は変化します。そのようななか、日常生活や性生活においてデリケートゾーンに関するコンプレックスやトラブルを抱えている女性は少なくありません。

婦人科形成は、女性のデリケートゾーンの痛みや不快感、不安感といった訴えのうち、婦人科や泌尿器科などの保険診療では解消しにくいものに対応しています。具体的には小陰唇(しょういんしん)^*や大陰唇(だいいんしん)^**の大きさや形に関するお悩み、性交痛・尿漏れ（保険診療範囲外のもの）、腟の緩みなど、女性特有の問題の解決を目指します。これらのお悩みやトラブルは病気ではないものの、日常生活や性生活においてストレスの要因となり得るといえるでしょう。

^*小陰唇：女性の外性器（外部に現れている性器）の一部で、大陰唇の内側にある左右のひだ。

^**大陰唇：女性の外性器の一部で、恥丘（ちきゅう：外陰部腹側の膨らみ）から会陰（えいん：腟口から肛門（こうもん）との間）までの左右の隆起。

婦人科形成はどのような方が受ける治療？

受診のきっかけや患者さんの特徴

婦人科形成の治療を受けるきっかけや患者さんの年齢層などは、施術内容により異なります。実際にどのような方が受けることが多いのか、以下に当院の例をご紹介します。

小陰唇縮小術

小陰唇縮小術は、小陰唇が大きいため擦れて痛みがある、あるいは左右差など見た目が気になるという方に対して、余剰部分を切除し大きさや形を整える手術です。男性の保険適用がないタイプの包茎手術と同様、美容外科で広く行われています。

当院に寄せられる婦人科形成に関するお悩みの中でも多数を占め、10歳代後半から50歳代まで幅広い年齢層の方からのご相談があります。近年、VIO脱毛（デリケートゾーンの脱毛）が一般に浸透してきており、脱毛後にご自身の小陰唇を直接見る機会が増え、気になるようになったという方、また、脱毛を受ける前に見た目を整えておきたいと考える方もいらっしゃいます。

腟のレーザー治療

腟のレーザー治療は、レーザーの温熱効果で腟を引き締めて若返りを図る治療です。また、尿道に向けてレーザーを照射して尿道周辺の組織を引き締めることで、尿漏れの改善を目指すことができます。

当院では、20歳代から60歳代の方より多くのご相談があります。妊娠・出産や加齢による腟の緩みや、咳、くしゃみをしたときなどに尿が漏れる腹圧性尿失禁に悩み、来院される方が多いです。

腟縮小術

腟縮小術は、ヒアルロン酸注射や、ご自身の太ももなどから採取した脂肪の注入、または切開法により腟の緩みの解消を目指す治療です。当院では、性交時にご自身やパートナーが腟の緩みを感じるようになったのをきっかけに相談に来られるケースが多く、年齢層は30歳代後半から50歳代前半の方が中心です。

性交痛の改善

当院では、20歳代前半で痛みのため性交ができない方や、結婚前後の20歳代半ばから30歳代で、妊娠・出産を希望しているため性交痛を克服したいという方が相談に来られます。子宮内膜症など、痛みの原因となる明らかな病気がないと婦人科の保険診療では対応が難しいため、ほかに可能な治療を求めて来院される方が多いようです。

また、閉経後の50歳以上の方からのご相談もあります。こちらは年齢とともにホルモンの値が低下し、腟の粘膜が薄くなって性交時に痛みを感じやすくなる方が増えるためだと考えられます。いずれも、患者さんお一人お一人の状態に合わせて痛みを緩和する治療を提案しています。

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受診時の注意点

当院では、婦人科形成の治療に年齢制限を設けていませんが、未成年の方の場合、保護者の同意が必要です。また、どの施術にも大なり小なりリスクがあります。考え得るリスクについて医師から説明し、ご納得いただいたうえで治療を行うことを大切にしています。

当院では、医師の診察によって施術の必要がないと考えられる場合、ご本人にその旨をお話しすることもあります。たとえば小陰唇縮小術を希望されたとしても、客観的に見て形も大きさも十分整っているケースなどが挙げられるでしょう。ご相談のうえ、最終的にはご自身の判断で治療を受けるかどうか決めていただきます。

婦人科形成でどのような悩みを解決できる？

小陰唇縮小術で解決を目指せるお悩み

当院を受診される方の婦人科形成に関するお悩みの中でも、多数を占めるのが小陰唇の大きさや形に関するものです。VIO脱毛をきっかけに、左右の大きさの差や黒ずみなどを気にするようになったという方、新しいパートナーができたタイミングで見た目を整えておきたいという方などがいらっしゃいます。

そのほか、自転車に乗ったときに強い圧迫感がある、排尿時に小陰唇のせいで尿が飛び散る感じがする、性交時に巻き込んでしまうといったお悩みを訴える方もいます。形や大きさを整える小陰唇縮小術により、これらのお悩みの解決を目指すことができます。

性生活のお悩みを解決に導いた当院における事例

パートナーの腟内射精障害が改善へ

パートナーが腟内射精障害の治療を受けているという50歳代の女性で、ご自身も状況改善に向けて治療があれば受けたいと希望し、当院を受診されました。腟の緩みがあったため、腟縮小術（脂肪注入）に骨盤底筋トレーニングを併用しました。パートナーの腟内射精障害が改善に向かい、ご自身も性交への満足度が高まったそうです。

女性としての自信が復活

年下のパートナーがいるという50歳代女性が、ご自身の体に自信をつけたいとのご希望で来院されました。すでに他院で小陰唇縮小術、大陰唇縮小術を受けられており、当院では腟口形成^*、腟縮小術（切開法・脂肪注入）を行い、自信を取り戻されたという例もあります。

^*腟口形成：腟口の大きさを調整する治療。