病院紹介(スポンサード)

総合力が身につく“地域医療研修”の魅力【対談】

総合力が身につく“地域医療研修”の魅力【対談】
大橋 麻衣 先生

自治医科大学 産科婦人科学講座 、自治医科大学 大学院医学研究科 博士課程

大橋 麻衣 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

自治医科大学附属病院 卒後臨床研修センターの初期臨床研修プログラムにおける“地域医療研修”は、研修2年目に、地方の研修施設において2か月間行われます。自治医科大学は全国の医療機関とネットワークがあり、自治医科大学卒業後に地域医療に従事している医師が在籍し、研修医の育成を強力にバックアップする体制が整っています。本記事では、初期臨床研修2年目の髙野 愛(たかの まな)先生、関山 雄太(せきやま ゆうた)先生と、自治医科大学附属病院で臨床研修指導医をされている産婦人科 大橋 麻衣(おおはし まい)先生の対談から、地域医療研修を含めた初期臨床研修の魅力に迫ります。

*記事の内容は取材時(2024年8月時点)の情報です。

髙野先生:

私は新潟県出身で、帝京大学を卒業後、この自治医科大学附属病院で初期臨床研修を受けています。診療科は消化器内科を志望しています。自治医科大学附属病院を研修先に選んだ理由は、地域医療に興味があったことが大きいです。プログラムに地域医療研修があることや、総合診療内科で総合診療を学べることが決め手になりました。

関山先生:

私は栃木県小山市出身で、実は自治医科大学附属病院で生まれました。将来的には地元である小山市の医療に貢献したいと考えていて、獨協医科大学を卒業後、自治医科大学附属病院を初期臨床研修先に選びました。自治医科大学附属病院は地域の医療機関とつながりつつ、高度な医療を学べるところが魅力だと思います。また小児科を志望しているので、後期研修では併設のとちぎ子ども医療センターで学びたいと考えています。

MN
右:関山 雄太先生 左:髙野 愛先生

大橋先生:

初期臨床研修ではさまざまな診療科を1〜2か月ずつローテーションしますが、ベーシックな病気の患者さんを幅広く診られる一方で、大学病院らしい高度な医療も勉強できるため、診療しながらアカデミックな部分まで学ぶことができます。私は佐賀大学を卒業して初期臨床研修先にここを選びましたが、見学をしたときにどの診療科の先生も熱心に指導されていて、どの科に行っても質の高い医療を経験できると思ったのが選んだ理由です。今は産婦人科で臨床研修指導医をしていますが、研修医の皆さんには専門的な知識よりもまず、女性を診療する際に気を付けるべきポイントを学んでほしいと思っています。ほかの診療科でも応用できるような知識をぜひ身につけてほしいですね。

髙野先生:

私は現在救命救急センターで研修を受けているのですが、先週までICUで学ばせていただきました。ICUは全身管理が必要な患者さんがたくさん来られて、さらに大学病院なので重症度が高い患者さんも多く、とても緊張感のある現場でした。そのようななかでも先生方は丁寧に指導くださり、手技を経験する機会もたくさんいただきました。ICUに限らずどの科においても、さまざまなことを経験させてもらえる環境なので、自分がやりたいことを積極的に伝えて充実した研修にすることも大事だと感じています。

関山先生:

私は現在総合診療内科にいますが、6〜7月の2か月間、群馬県の西吾妻福祉病院で地域医療研修をしてきました。主に入院患者さんの治療に携わりながら、大学病院と地域の病院の役割の違いを学ぶことができました。大学病院では診療科ごとに入院患者さんを診るため、たとえば消化器内科なら消化器系の病気だけを一定期間診ることになるのですが、西吾妻福祉病院では基本的に内科系の治療は全て内科で対応しています。私は初期の肺炎などの患者さんを診て初歩的な治療をしたり、初期段階の治療計画を立てたりしました。また外来にも入らせていただき、初診の患者さんも含めて、ご指導いただきながら診療を担当させていただきました。

髙野先生:

私は4〜5月に地域医療研修を行いまして、茨城県の常陸大宮済生会病院で本当に多彩な経験をさせていただきました。中でも特に印象に残っているのは、やはり初診外来です。何の病気か分からない患者さんから主訴を聞き、検査を組み立て、フォローの可否を判断して次回の外来をスケジューリングするといったように、さまざまなことを全て自分で考えて動かなくてはなりません。これまで外来の経験がまったくなかったのでとても大変でしたが、常陸大宮済生会病院には熱心な先生が多く、分からなかったらすぐに質問してアドバイスをいただける環境でした。また、初診外来で担当した患者さんは入院病棟でも診るという方針だったので、患者さんを最後まで診ることができたのもよかったです。高齢の患者さんが多かったので、環境整備をしたり、今後についてご家族を交えて自分が中心となって話を進めたりするなど、貴重な経験を積むことができました。

関山先生:

私も西吾妻福祉病院でご家族の方に説明する機会を多くいただき、やはり患者さんやご家族との対話は気を遣って行わなくてはならないものだと改めて痛感しました。話す順番や言葉遣いなど基本的なことではあるのですが、納得いただけるように説明するのは本当に難しいなと……。この経験を次につなげていきたいです。

大橋先生:

2人の話を聞いて、私も地域の病院で初めて外来を担当したときに同じ気持ちになったことを思い出しました。大学病院の研修では外来を見学することはあっても、「今日はどうしましたか」と患者さんに直接伺うことや、検査・次の外来受診のことなどを1人で組み立てることはありません。でも実際には、研修後にそれぞれ診療科に入ったら病棟業務と外来業務をおおよそ半分ずつ行うことになります。大学病院の研修だけでは得ることのできない外来の知識や考え方を身につけられることは、地域医療研修の大きなメリットといえるでしょう。

MN
大橋 麻衣先生

関山先生:

患者さんやご家族との信頼関係は対話を重ねることで築けると身をもって学びました。大学病院ではどうしても医師室での業務が多くなりがちでしたが、地域医療研修中は患者さんやご家族と積極的にお話をする機会をたくさん得ることができました。その結果、退院時などに感謝の言葉をいただき、やりがいを感じました。再び外来でお会いしたときも話が弾んで退院後の生活の様子などをスムーズに伺うことができたので、対話が診療においてとても大切だと分かりました。

髙野先生:

地域医療研修中は自分の医学知識が乏しいためにできないことがたくさんあり、悩んだこともありました。でも指導いただいた先生に「この時点でできないことがたくさんあるのはしょうがないけれど、患者さんがどのような悩みを抱えているのか、“患者さんの今”を知っているのは研修医であるべきだ」とおっしゃっていただいて。確かに医学知識が乏しくても患者さんに寄り添うことはできますし、この考え方は今後いろいろなことができるようになったとしても忘れてはいけないと思いました。

MN
髙野 愛先生

大橋先生:

まさにそのとおりで、私は臨床研修指導医として研修医の皆さんには、病気を治すだけではなく患者さんの人生に寄り添うことができる医療者になってほしいと思っています。自分が研修医だったときのことを思い出してみても、医学的な面において研修医ができることは少ないものです。でもその分、私も患者さんに会いに行く時間を多く作っていましたし、当時いただいた患者さんからのお手紙は今でも大切にとってあります。医師としてキャリアを進めるにつれて、たくさんの患者さんを診療するようになり一人ひとりの患者さんとじっくり接する機会は減ってしまいがちですから、ぜひ研修医のうちから積極的に患者さんと向き合う経験を積んでおいてほしいと思います。

また私の場合は、地域医療研修で往診を経験できたのもよかったと思っています。退院した後の患者さんの外来や自宅での過ごし方について、病気と向き合いながら、どのような社会資源を使って生活を組み立てているのかを直に知ることができました。地域との関わり方を学んだこの経験は、現在産婦人科医になってからも、たとえば婦人科のがん患者さんが地域に戻られたときに自分はどのように動くべきか、どのような人に相談すべきかといった判断に役立っています。

関山先生:

私は小児科医を目指していて、もともと医師になりたいと思ったのも、子どもの頃にお世話になった先生に憧れがあったからです。話をよく聞いてくださる先生で、やはりそれだけで患者さんは安心できると思います。今回の地域医療研修で大切だと感じたことを生かして、患者さんに寄り添える小児科医になりたいです。

髙野先生:

私は最終的に地域医療に関わる医師になりたいです。それを目指すなかで、患者さんに関わるときに必要なさまざまな術を身につけておきたいと考えています。特に内視鏡や、患者さんの自宅でもできるエコーの技術が必要ではないかと考えていて、現在は消化器内科を志望しています。患者さんに寄り添いながらたくさんの症例を経験させていただき、技術を磨いていきたいと思います。

大橋先生:

小児科と消化器内科とでは対象の患者さんは違いますが、共通して研修医時代にやっておくとよいことをアドバイスするならば、同期を含めてたくさんの先生とつながりを作っておくとよいと思います。私は今でも研修医時代にローテーションでお世話になったほかの診療科の先生や、今はほかの病院にいらっしゃる先生とも交流させていただいていて、コンサルトすべきか迷うようなちょっとしたことでも電話などで気軽に相談することができています。それがやりやすい風通しのよさが、自治医科大学附属病院のよいところです。

髙野先生:

自治医科大学附属病院は皆が和気あいあいとしていて、どんな人でも受け入れてくれる場所だと心から思います。柔軟なカリキュラムがありますし、シミュレーションセンターが24時間開いているなど、自分を高められる環境が整っているのも魅力だと思います。

関山先生:

研修医の人数が多くて同期と話をする機会も多く、日々刺激を受けています。いろいろな診療科がそろっているので、診療科に迷っている人はもちろん、どの診療科の医師になりたいかまったく分からないという人でも、研修する中で診療科を決められると思います。

大橋先生:

自治医科大学附属病院は、大学病院と市中病院のよい面を両方備えていて、手技もやりたいし勉強もしたいという人に向いていると思います。また関山先生のおっしゃるとおり、診療科に迷っている人にこそおすすめで、回っていてどの診療科も魅力的に感じられると思いますし、その中から自分に合う診療科を見つけられることでしょう。診療科同士の垣根が低く、さまざまな出身大学の先生が全国から集まっているので学閥を気にせずに切磋琢磨できる環境です。全国北から南まで、どこからでもお越しいただきたいです。

受診について相談する
  • 自治医科大学 産科婦人科学講座 、自治医科大学 大学院医学研究科 博士課程

    大橋 麻衣 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    本ページにおける情報は、医師本人の申告に基づいて掲載しております。内容については弊社においても可能な限り配慮しておりますが、最新の情報については公開情報等をご確認いただき、またご自身でお問い合わせいただきますようお願いします。

    なお、弊社はいかなる場合にも、掲載された情報の誤り、不正確等にもとづく損害に対して責任を負わないものとします。

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。
    実績のある医師をチェック

    Icon unfold more