院長インタビュー

患者さんの人生に寄り添い、社会貢献活動にも注力する西仙台病院

患者さんの人生に寄り添い、社会貢献活動にも注力する西仙台病院
メディカルノート編集部  [取材]

メディカルノート編集部 [取材]

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1980年12月に開院した医療法人財団 明理会 西仙台病院は、リハビリテーションを主体とした慢性期医療を提供する病院です。救急搬送などを受け入れる急性期病院との違いや同院の強みや注力している取り組みについて、院長である鈴木 知信(すずき とものぶ)先生にお話を伺いました。

医療法人財団 明理会 西仙台病院は、1980年12月にIMS(イムス)グループの病院として開設されました。開設当初の病床は内科の100床のみでしたが、1984年12月には精神科病床を新設。現在は内科 229床・精神科 272床の計501床を有し、リハビリテーションを主体とした医療を提供しています(2024年10月現在)。

当院が行っているのは、長期療養を必要とする患者さんができるだけよい状態を保ち、その人らしい日々を過ごしていただけることを目標とした慢性期医療です。医療スタッフ全員が患者さん一人ひとりにしっかりと向き合い、それぞれに合った総合的な診療やリハビリテーションを行うことで、当院は質の高い医療を提供していると自負しています。

当院は高齢者医療や精神科をメインとした慢性期病院です。入院患者さんのほとんどは長期にわたる入院生活を送られており、何よりも毎日の食事を楽しみになさっています。そこで当院は2022年、入院患者さんに向けたアンケート調査の結果を踏まえて、病院食の見直しを実施。おいしさと栄養バランスに優れた食事をご提供できる体制が整ったことで、病院食に対する患者さんの満足度向上につなげることができました。

また当院では患者さんが自分で食べられるだけでなく、なるべく自分で動けるようにしたいと考え、リハビリスタッフを5年間で約2倍に増員しました。このように患者さんに必要なことに対し、迅速かつ柔軟に対応できることが当院の大きな強みだと考えております。

高齢患者さんや慢性疾患のある患者さんは、複数の不調や病気を抱えていることがほとんどです。そのため当院では、できるだけジェネラル(総合的)な診療ができる体制づくりを心がけております。

当院は内科、精神科、脳神経内科、リハビリテーション科を中心に診療しており、それぞれの分野を専門にする医師が複数在籍しています。私は内科と外科の両方の病気に対応できるほか、神経内科、呼吸器外科、泌尿器科、内分泌代謝科、糖尿病、がん治療などを専門とする医師による専門的な診療が可能です。日頃から院内における連携強化を心がけ、診療科や職種の垣根を越えたチーム医療で幅広い診療を行っていることも、当院の強みの1つといえるでしょう。

当院は地域に密着した社会貢献活動を積極的に行っております。具体的には、地域の皆さまに向けた公開講座や健康相談会の開催、職員が自治会・施設・学校などに訪問して行う出前講座の実施などがあります。また“人が組織をつくる”という考えに基づき人材育成活動にも力を入れております。この活動は当院のためだけの活動ではなく、広く医療の世界に貢献するための活動です。さらには,毎年、県内外を問わずできるかぎりの臨床実習生を受け入れているほか、海外からの技能実習生も受け入れております。

また当院では、離職・休職中の看護師及び准看護師を対象とした復職支援研修も毎月開催しております。この復職支援研修は、看護師や准看護師が職場復帰を考えた際に抱える不安や悩みを少しでも解決することを目的としたものであり、研修を受けたからといって「当院で働いてください」ということではありません。復職を検討している看護師・准看護師の皆さんは、ぜひお気軽にご参加ください。

健康相談会の様子(西仙台病院ご提供)

当院は業務の効率化によってより快適な医療環境をご提供するため、2022年から電子カルテや院内Wi-Fiを導入するなどデジタル化を推進しております。ホームページについても、各種お知らせや入院空床情報などの更新をこまめに行い、積極的な情報発信を心がけております。

2021年4月からは栄養科の紹介や栄養に関するコラムを掲載した“栄養科だより”の発信を開始しており、2023年2月からは広報誌“こもれび”の発行も開始しました。どちらも最新号を含めたバックナンバーを全てホームページでご覧いただけますので、ぜひご一読ください。

当院の役割は長期療養を必要とする患者さんに向けて、適切な診療やリハビリ、心理面・栄養面のケアを行うことです。患者さんの人生に寄り添い続ける全人的な対応を行うことこそが、当院のような慢性期病院にとって大切なことだと考えております。

高齢化がますます進行するこの時代、当院が担う役割もより大きくなっていくことでしょう。今後もより充実した慢性期医療をご提供できるよう、持ち前のフットワークの軽さと“改善できる点を見つけて実行していく”という姿勢で取り組んでまいりたいと思います。

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