がんぜんくしょう

がん前駆症

皮膚

目次

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概要

がん前駆症とは、本格的ながんの発生リスクが高いと推定される状態のことを指します。皮膚がん、子宮頸がん、大腸がんなどにおいて、がんの前段階の状態があると考えられています。

具体的には、皮膚がんでは日光角化症、子宮頸がんでは異形成と呼ばれる状態、大腸がんでは大腸ポリープの一部が、がん前駆症として挙げられます。

原因

臓器によって原因が異なります。

たとえば、皮膚がんの一種のがん前駆症として、日光角化症が知られています。日光角化症の原因は紫外線であると考えられています。

子宮頸がんの前がん病変として、異形成と呼ばれる状態があります。性交渉を介してヒトパピローマウイルスに感染することがありますが、このウイルスが原因となって異形成が生じることがあります。

ウイルス自体は広くみられるものですが、患者さんの状態やウイルスのタイプによっては異形成から子宮頸がんへとつながることがあります。

大腸ポリープの一部も大腸がんの発生母地になることがあります。その他、口腔内に生じる白板症は、口腔内のがんの発生につながることがあります。白板症は、喫煙や入れ歯による慢性刺激、栄養不足などを原因として生じます。

症状

がん前駆症では、必ずしも症状が出現するとは限りません。子宮頚部の異形成、大腸ポリープなどは症状がないまま経過することが多いです。

皮膚や口腔内に認められるがん前駆症においては、見た目の変化が生じ、患者さん自身が認識することもあります。日光角化症や、やけど後の瘢痕を生じた場合、皮膚に乾燥やひきつれなどを認めます。

口腔内に病変が形成される白板症では、舌や頬の粘膜などに白色の変化を見ます。食べ物や飲み物がしみたり、痛みを感じたりすることもあります。

検査・診断

子宮頚部の異形成、大腸ポリープなどは症状がないまま経過する事が多いため、がん検診や、たまたま別の理由で行われた内診や下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)などによって存在が指摘されることがあります。

がん前駆症を疑う病変が見られた際には、病変の一部を採取して顕微鏡で確認する病理検査が行われることもあります。これによって、がん細胞の存在がないかどうかを詳細に評価することができます。

治療

部位に応じた治療方法が選択されます。

たとえば、日光角化症であれば摘出術、薬物療法、凍結療法などが行われます。日常生活において、紫外線の影響を減らすことも大切です。

子宮頚部の前がん病変は、多くの場合はヒトパピローマウイルスの感染を原因として引き起こされます。ウイルスに感染しても前がん状態に移行することは多くありませんが、がん検診を定期的に受け、がんの発生に注意することが大切です。

大腸ポリープが指摘された際には、大きさや性状を考慮したうえで、必要に応じて切除術が行われます。白板症についても、病変の性状によっては切除術が行われることがあります。ビタミンAの補充や禁煙なども重要です。