治療
アルコール依存症治療の目標は、原則的にはアルコールを一切断つこと(断酒)です。まずは外来治療から試みますが、通院では断酒がなかなか困難な場合、あるいは、内科合併症が重篤な場合には、入院治療の適応となります。
治療にあたっては、まずはさまざまな離脱症状を緩和するために断酒初期のみ抗不安薬を投与します。
アルコール依存症の離脱症状は数日~2週間続くとされており、離脱症状が落ち着いた後は断酒を継続するためのリハビリテーションが行われていきます。治療の進め方は病気を抱える人の重症度や社会的な背景によっても異なりますが、誤った飲酒行動を正すための認知行動療法を集団療法の形で実施し、補助的に、アルコールを摂取すると気分が不快になる作用を持つ抗酒剤や、飲酒欲求が多少とも緩和する抗渇望薬の投与も行います。また、自助グループに継続的に参加することも、長期間の断酒を達成するうえでは非常に効果的と考えられています。
なお、患者が断酒という治療目標に同意しない場合には、ひとまず戦略的に減酒を試みてもらうことで、まずは治療の継続を優先することもあります。
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