症状
アルコール依存症の中核的な症状は、アルコールを摂取することのメリットよりもデメリットのほうがはるかに上回っているにもかかわらず、アルコールを適量で済ませることができず、飲酒していないときでもたえず“飲むこと”にとらわれている、といった精神面と行動面の変化です。そして副次的に、血液中のアルコールが濃度が低下すると、強烈な飲酒欲求とさまざまな離脱症状も現れます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
飲酒のコントロールができなくなる
アルコールへの欲求が高まるあまり、自身に適した飲酒量、時間、状況などを考慮せずに飲酒するようになります。その結果、朝から飲酒する、仕事中も飲酒する、家事をせずに飲酒を続けるなど日常生活や社会生活が困難な状況に陥ります。
また、仕事や人間関係のトラブル、家族関係の破綻、飲酒運転などさまざまな問題を引き起こすことで社会的に孤立し、それがさらなる飲酒行動を促すといった悪循環に陥るケースも少なくありません。
さらに依存状態が重度になると、体内にアルコールが存在しない時間を作ることができなくなり、日がな一日、飲酒することを続けては潰れ、目が覚めてはまた飲むといった“連続飲酒”と呼ばれる状態に陥ります。その状態では、すでに肝臓や脳などにも大きなダメージが生じていることがしばしばです。
精神的・身体的症状
アルコールは一定時間血液中にとどまると肝臓で分解されていきます。アルコール依存症では、血液中のアルコール濃度が低下するにともに、イライラ感、不眠などの精神的な症状、動悸・震え・発汗・吐き気・頭痛などの身体的な症状が現れます。これらの症状が“離脱症状”です。非常に重篤なケースではけいれん発作、幻覚や幻聴などが生じ、生命的な危機状態に瀕することもあります。
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