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エマヌエル症候群
エマヌエル症候群とは、染色体異常をもとにする先天性疾患のひとつを指しますが、精神発達遅滞や全身各種臓器に渡る症状を呈します。精神発達遅滞は必発であり、運動面の遅れも遅れます。先天性心疾患、腎臓奇...
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エマヌエル症候群えまぬえるしょうこうぐん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

エマヌエル症候群とは、染色体異常をもとにする先天性疾患のひとつを指しますが、精神発達遅滞や全身各種臓器に渡る症状を呈します。精神発達遅滞は必発であり、運動面の遅れも遅れます。先天性心疾患、腎臓奇形、口蓋裂、外性器の異常など奇形が多発します。

エマヌエル症候群は、11番染色体と22番染色体の各部位が正常よりも多く存在することが原因で発症します。 エマヌエル症候群は、日本においては難病指定を受けている疾患の一つですあり、実態調査を通して数十名の患者さんが把握されています。

根本的な治療は確立されておらず、症状に合わせた支持療法が中心になります。エマニエル症候群の症状は全身各種臓器に渡るため、包括的な医療が求められます。 エマニエル症候群が報告されてからの歴史は浅く、長期的な予後については全貌が明らかになっているとは言えず、今後さらに知見が蓄積されることが期待される疾患です。

原因

エマヌエル症候群は、11番染色体と22番染色体に由来する染色体の一部が、身体の各細胞の中で過剰に存在していることを原因として発症します。 11番染色体と22番染色体を含めて、人には1番から22番までの番号がついた「常染色体」とX染色体・Y染色体の「性染色体」が存在します。ひとつの細胞を見ると、常染色体は同じ番号のものが2本ずつ存在します。

性染色体は男性であれば「XY」、女性であれば「XX」の組み合わせで、やはり同じく2本存在します。常染色体と性染色体を合わせて合計23組(46本)存在するのが通常です。 エマヌエル症候群では、11番染色体の一部と22番染色体の一部分がそれぞれ誤ってつなぎ合わさった染色体である「22番派生染色体」が、細胞の中に存在することで発症します。すなわち、エマヌエル症候群の患者さんの細胞には、正常な23組(46本)の染色体に加えて、1本余分な22番派生染色体が存在することになります。

過剰な22番派生染色体が原因となり、エマヌエル症候群に特徴的な症状が引き起こされることになります。 22番派生染色体は、両親のうちいずれから引き継がれることになります。22番派生染色体を有する親御さんは22番派生染色体を有していますが、この異常な染色体を含めても23組(46本)の染色体を有するのみです(転座保因者と呼びます)。こうした22番派生染色体が、精子もしくは卵子が形成される際に、異常な形で紛れ込んだ際にエマヌエル症候群が発症することになります。

症状

エマヌエル症候群は、全身各種臓器に奇形を認める先天性疾患です。出生後から小頭症、耳前の小孔や小突起、眼裂斜上などの特徴的な顔貌を呈します。また口蓋裂や下顎が小さいなどの見た目も指摘されます。

新生児期から筋力は低下しており、呼吸や哺乳に障害を認めることがあります。身体面の成長も年齢相応にはいかず、体重増加不良をともないます。運動面の発達も遅れることが多く、精神面での発達遅延は必発です。

エマヌエル症候群では、各種の臓器障害もともなうことが知られています。心臓であれば心室中隔欠損、心房中隔欠損、動脈間開存などを認めますし、腎臓の大きさも小さいかもしくは存在しないこともあります。そのほか経過中に明らかになる症状としては、繰り返す感染症(特に中耳炎)、聴力障害、視力障害、難治性けいれんなどがあります。

検査・診断

エマヌエル症候群の診断は、血液を用いた染色体検査をもとに行われます。すなわちエマヌエル症候群では、正常な染色体46本に加えて、11番染色体と22番染色体が組合わさった「22番派生染色体」が1本、合計47本存在することを確認することになります。この目的のために、「G-banding」と呼ばれる方法がとられます。

エマヌエル症候群では全身各種臓器に多発奇形を生じます。したがって、各種臓器毎の状況を評価するための検査が行われることになります。心臓の状態を評価するためには胸部単純レントゲン写真や心臓のエコーが行われますし、けいれんを起こした際には脳波を行うことになります。

治療

エマヌエル症候群の根本的な治療法は存在せず、各種の症状に合わせた支持療法が中心になります。生後しばらくは、筋力の低下や口蓋裂に関連した哺乳障害や呼吸障害を認めることがありますので、場合により経管栄養や点滴、人工呼吸器でのサポートを要することもあります。

心疾患による症状(心不全徴候)が前面に出る場合には、利尿薬や強心剤などの内服薬に加えて、手術も検討されることになります。てんかんを発症した場合には、症状に合わせた抗てんかん薬が使用されます。幼少期には特に中耳炎を繰り返し、ときに聴力の低下につながることがあるため、中耳炎の治療や聴力障害に対してのアプローチも必要になります。

精神発達遅滞は必発であり、自発語も乏しいことが多いです。言語に寄るコミュニケーションのみだけではなく、手やジェスチャーを用いた非言語コミュニケーションも有効です。 エマヌエル症候群は病気が同定されてからの歴史が浅く、エマヌエル症候群の全容が解明され、治療法が確立されていくことが期待されています。