ぎゃんぶるいぞんしょう

ギャンブル依存症

目次

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概要

依存症とは、世界保健機関 (WHO) により「精神に作用する化学物質の摂取や、ある種の快感や高揚感を伴う行為を繰り返し行った結果、それらの刺激を求める耐えがたい欲求が生じ、その刺激を追い求める行為が優勢となり、その刺激がないと不快な精神的・身体的症状を生じる、精神的・身体的・行動的状態」と定義されています。なかでもギャンブル依存症は「行動・過程依存症」に分類され、精神医学において広く用いられているアメリカ精神医学会による診断基準 (DSM-5) においても「ギャンブル障害」という病名で含まれています。アメリカ精神医学会による診断基準において、かつてはアルコールや薬物など、物質に対する依存症のみが医学的な病名とされていました。しかし、ギャンブル依存症に関しても、アルコールや薬物に対する依存症とその特徴が似ており、なおかつ社会的な問題も大きいことから、2013年に出版されたDSM-5 (診断基準) より精神科の診断名として含まれるようになりました。

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原因

ギャンブル依存症に至る原因としては、ある特定のものやひとつのメカニズムだけで説明できるものではありません。個々人の家庭環境や生活環境、性格など、実にさまざまなことがらが、依存症を起こしやすくしたり逆に予防したりという要因となります。また、未だ不明な点は多く残されてはいるものの、ギャンブル依存症の方では脳のはたらきに変化が起きていることがわかってきています。通常、その人にとって“報酬”となる特定の刺激をみたり聞いたりすると、脳のなかの報酬系が賦活(活性化)されることが知られています。ギャンブル依存症の方では、自分が依存している競馬やパチンコといった行為以外の物事への関心が落ちるため、通常であれば脳内報酬系が活性化される刺激に対しての反応が低下することがわかっています。また、ギャンブル依存症に陥る人は「衝動的に行動してしまう傾向を自らコントロールすることが苦手である」といわれます。衝動性のコントロールには前頭葉の一部の領域が関わることが知られているため、ギャンブル依存症の一部の方では前頭葉の機能低下があるのではないかと推測されています。

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症状

依存症の特徴としては、1) ある物質や行動への渇望、2) 渇望する物質の摂取や行動の制御困難、3) 離脱症状、4) 耐性、5) 渇望する物質の摂取や行動以外に対する関心の低下、6) 渇望する物質や行動に起因する障害があるにもかかわらず、摂取や行動を継続する、という6つの特徴が挙げられます。ギャンブル依存症に関して考えてみると、1) 2) 仕事や育児の途中に「ギャンブルがしたくてたまらない」という状態になる、3) ギャンブル (たとえばパチンコや競馬など) の中断を余儀なくされると強い不安を感じたりイライラする、4) 同じ程度の金額の賭けでは満足できず、だんだんと大きな金額をかけるようになる、5) ギャンブル以外のことに対して無関心になる、6) ギャンブルをどれくらいしているか、どの程度のお金を失ってしまったかなど、周囲に嘘をつくようになる、といった特徴が認められます。

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検査・診断

ギャンブル依存症の診断にあたって、客観的な指標となるものは現在のところありません。原因でも述べたように、ギャンブル依存症の方では自身が依存している行為以外のものごとへの関心が落ち、通常なら脳内報酬系を刺激するであろう写真などをみたときに脳内報酬系の活動が低下していることが知られています。こういった脳の活動をFunctional MRI (MRI検査の特殊な形式)で計測するといった検査もありますが、現時点では診断に使える指標にはなっていません。ギャンブル依存症の診断基準としてよく用いられているものの一つにアメリカ精神医学会による「精神疾患の診断と統計マニュアル 第5版 (DSM-5)」に定められている診断基準があります。ギャンブルの習慣や社会生活への影響など、ギャンブル依存症の特徴が9項目にまとめられており、該当する項目の数によって依存の程度が評価されます。

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治療

ギャンブル依存症の治療に関して、現在のところ有効な薬物療法はありません。もっとも信頼できる治療方法としては、同じく問題を抱えた当事者同士が集まる自助グループに参加することとされています。ギャンブル依存症を脱した人、まだ脱することができていない人が集い、他の人の経験を聞くとともに自身の経験を語ることが有効な治療となり、長期的な再発防止につながります。

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