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チェディアック・東症候群
チェディアック・東症候群とは、遺伝子異常にともなう先天的な免疫不全のひとつを指します。細菌やウイルスに対しての抵抗力が弱く、小児期の早期から感染症を繰り返し、致死的になる病気です。皮膚や眼の色素...
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チェディアック・東症候群ちぇでぃあっくひがししょうこうぐん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

チェディアック・東症候群とは、遺伝子異常にともなう先天的な免疫不全のひとつを指します。細菌やウイルスに対しての抵抗力が弱く、小児期の早期から感染症を繰り返し、致死的になる病気です。皮膚や眼の色素が薄いという特徴も同時に認め、神経系の症状を呈することもあります。チェディアック・東症候群は、LYSTと呼ばれる遺伝子に異常が存在することが原因となり病気が発症します。
チェディアック・東症候群は、小児慢性特定疾病に指定されている病気のひとつであり、本邦ではおよそ15名の患者さんがいらっしゃると報告されています。
チェディアック・東症候群にともなう免疫不全症の根本治療として、骨髄移植が行われることがあります。しかし、色素低下に関連した症状や神経症状については骨髄移植のみでは改善することはなく、症状に合わせた支持療法が行われることになります。

原因

チェディアック・東症候群は、LYSTと呼ばれる遺伝子に異常が存在することが原因で発症します。LYST遺伝子は細胞内における物質の運搬作用に関わる重要な遺伝子のひとつです。細胞内には「ライソゾーム」と呼ばれる器官が存在しますが、工場のようなはたらきをしています。ライソゾームには多くの物質が運び込まれ、細胞にとって毒性のある物質を破壊したり、細胞に侵入した病原体を殺菌したり、使い古された細胞の部品を再利用するために処理したりします。
さまざまな物質がライソゾームに運び込まれるには、LYST遺伝子の働きが重要であることがわかっています。LYST遺伝子の異常が発生すると、ライソゾームへの物質輸送機能が障害を受けることになります。その結果、毒性物質を処理したり、病原体を殺菌したりすることが不可能になってしまいます。また、ライソゾーム自体も正常よりも大きくなり、ライソゾーム周囲の細胞機能を阻害することになります。その結果として、チェディアック・東症候群でみるような免疫不全が発症することになります。
色素を生成する「メラノサイト」と呼ばれる細胞においても、LYST遺伝子は重要なはたらきをしています。色素である「メラニン」が生成されるためには、「メラノソーム」という細胞器官への物質輸送が適切に行われる必要があります。LYST遺伝子はこの物質輸送にも重要なはたらきをしています。LYST遺伝子異常が存在するとメラノソームの働きが障害を受け、メラニンが生成されなくなり、チェディアック・東症候群で見る「白子症」と呼ばれる症状が出現することになります。
チェディアック・東症候群は、「常染色体劣性遺伝」と呼ばれる遺伝形式を示します。LYST遺伝子は人間の細胞内に2本存在していますが、1つが異常なだけでは病気は発症しません(病気の保因者になります)。しかし、2つのLYST遺伝子に異常が生じるようになると、病気が発症することになります。チェディアック・東症候群では、両親が保因者となり次世代に病気が伝播することになります。

症状

チェディアック・東症候群では、乳児期早期から皮膚・毛髪・眼などの色素が薄くなる「部分的白子症」を認め、日光に対しての過敏反応を示すことになります。
より重篤になりやすい症状としては、免疫不全と神経症状を挙げることができます。チェディアック・東症候群では通常は問題にならないような病原体に対して感染症状を発症するようになり、特に呼吸器や皮膚に感染をきたすようになります。また、血小板の機能異常をともなうこともあるため、軽度の外傷においても容易に出血によるあざを生じるようになります。また、鼻血などを出しても、なかなか止まりません。
神経系の症状は年齢を経るにつれて徐々に明らかになってきます。症状としては、歩行がふらつく小脳失調や手足の感覚異常、けいれんなどを認めるようになります。
病気の経過中には、ウイルス感染などをきっかけとして症状が急激に増悪することもあります。この段階なると多臓器障害を発症し、死に至ることもあります。

検査・診断

チェディアック・東症候群では、血液中の血球成分の機能や形態を観察することから診断がされます。具体的には、白血球中に大きな顆粒が存在することを確認します。また白血球には、「NK細胞」や「細胞障害性T細胞」と呼ばれるものが存在していますが、これら細胞の機能が低下していることを確認します。
また、チェディアック・東症候群は、LYSTと呼ばれる遺伝子に異常が存在することが原因で発症します。そのため、この遺伝子異常を確認するための遺伝子検査が行われることもあります。

治療

チェディアック・東症候群では、致死的になりうる免疫不全に対しての対応が重要になります。感染症を繰り返すことになるため、感染症を発症した時には適宜抗生物質などの薬剤を投与することが重要になります。また、免疫不全は血球系の異常であるため、異常な血球と正常な血球を入れ替えることが根本的な治療法になります。したがって、チェディアック・東症候群では「血液幹細胞移植」が選択されることになります。
しかし、血液幹細胞移植を行っても、色素や神経の症状が治まる訳ではありません。色素低下に関連した光過敏症に対しては、帽子をかぶる、光を極力避けるなどの紫外線対策が必要です。神経系の症状についても支持療法が中心となり、たとえばけいれんを発症するようであれば抗けいれん薬が適応となります。歩行のふらつきが強い場合には、車いすの使用なども検討ことになります。