原因
ニューモシスチス肺炎は、免疫が低下している際に原因菌が体の中に入ることによって生じると考えられています。発症する仕組みについてはいまだ分かっていないこともありますが、原因菌自体は人から人への飛沫感染が原因で感染すると考えられており、発症者は治療開始から1週間前後まで強い感染力を持つと考えられています。
なおニューモシスチス肺炎にかかりやすい人の特徴の1つとして、HIV感染症*の患者であることが挙げられます。近年は有効な予防方法が確立しつつあり、HIV感染症患者のニューモシスチス肺炎は減少傾向にあります。しかし、中にはHIV感染症が進行した患者がニューモシスチス肺炎を発症して、後天性免疫不全症候群(エイズ)と診断されることもあります。
そのほか近年では、臓器移植後の患者など免疫抑制剤の投与によって免疫が抑制されている患者にも、ニューモシスチス肺炎を発症することが多く、加えてステロイド薬の投与や生物学的製剤、抗がん剤、がんそのものによる免疫低下なども発症のリスクになっている場合もあります。
*HIV感染症……ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した状態を指す。感染後、指定された23の日和見感染症のうちのいずれかを発症した場合に、後天性免疫不全症候群と診断される。
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