検査・診断
症状や持っている病気などからニューモシスチス肺炎が疑われる場合、血液検査や画像検査、喀痰検査などが検討されます。また、確定診断としては気管支鏡検査などにおいて原因菌の存在を証明することが必要です。
ただし体の状態によっては気管支鏡検査が行えない場合もあるため、原因菌を確認できなくても、ニューモシスチス肺炎の治療に進む場合があります。
血液検査
血液検査では、白血球数の増加や体に炎症が起こっているときにみられるCRPの上昇などの所見がみられることがあります。また、一般的な細菌性肺炎ではみられにくい、ニューモシスチス肺炎特有の所見として、LDH、β-D-グルカン、KL-6といった数値の上昇がみられることもあります。
画像検査
ニューモシスチス肺炎の検査として行われる画像検査には、胸部X線検査、胸部CT検査、気管支鏡検査などがあります。
胸部X線検査
肺の両側にかすみがかったような、すりガラス状の影や網目のような“網状影”がみられることがあります。また病気が進んでいる場合には一般的な細菌性肺炎のように“浸潤影”がみられることもあります。時折、袋状にみえる病変“嚢胞”が確認できる場合もあります。
一般的に初期段階はX線検査では異常が確認できないことも少なくないため、不確定な場合にはより詳しい検査として胸部CT検査も併せて行うことが望ましいといえます。
胸部CT検査
CT検査においても肺の両側にすりガラス状の影や網状影が認められ、また嚢胞が確認されることがあります。病気が進行している場合には“浸潤影”がみられることもあります。肺の病気が出はじめたときには肺の末梢(外側)には影が出にくいのも特徴です。X線検査よりも細かく所見を確認できることが一般的です。
気管支鏡検査
鼻や口からカメラが付いた細い管を入れて、気管支を観察したり、検体を採取したりする検査です。ニューモシスチス肺炎の場合、多くは“気管支肺泡洗浄(BAL)”といって、生理食塩水を注入して肺の中を洗浄し、洗浄した液体を回収して検査する手法が検討されます。この液体から原因菌を検出できれば、ニューモシスチス肺炎の確定診断が付きます。
喀痰検査
気管支鏡による検査が難しい場合、痰を採取して詳しく調べる検査も検討されます。
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