はんとしょうこうぐん

ハント症候群

俗称/その他
ラムゼイハント症候群

治療

ハント症候群の治療には、薬物療法、手術療法、リハビリテーションなどがあります。後遺症が生じた場合は、ボツリヌス療法や手術療法が行われることがあります。

 薬物療法

ハント症候群の治療は、主にステロイド薬と抗ウイルス薬による薬物療法が基本となります。ステロイド薬は炎症を抑え、抗ウイルス薬はウイルスの増殖を抑制します。場合によってはビタミン薬や循環改善薬も使用されます。顔面神経の変性*は発症から7~10日で完成し、この時点で予後(病気の経過や結果)が決まるため、診断後速やかに治療を開始することが重要です。

*神経の変性:神経の機能が徐々に失われていく状態のこと。

 手術療法

発症早期でも麻痺が重度の場合には、顔面神経減荷術が行われることがあります。この手術では、炎症によって腫れて骨の中で締め付けられている神経の周囲の骨を削ることで圧迫を解除し、神経変性の予防と回復を促します。

十分な回復が得られなかった場合には、さまざまな外科的治療が検討されます。具体的には、顔面の左右のバランスを整える手術のほか、垂れ下がった眉毛を釣り上げる手術、筋肉や神経、軟骨を移植する手術などが行われます。これらの手術は、顔面の対称性を回復させ、表情筋の動きを改善することで、整容面(見た目)と機能面の改善を目指します。

リハビリテーション

顔面神経麻痺の回復を促進し、後遺症を予防するために、リハビリテーションが行われます。症状が進むと顔面表情筋が固まってしまうため、筋肉がこわばる前に正しいリハビリテーションを開始する必要があります。

一般的なリハビリテーションには、顔の筋肉のマッサージ、患部を温める治療、表情筋の個別的筋力訓練、病的共同運動予防としてミラーバイオフィードバック療法などがあります。これらは筋肉の柔軟性を維持し、顔面拘縮や病的共同運動の低減効果があります。

ボツリヌス療法

高度の顔面拘縮や病的共同運動などの後遺症に対しては、ボツリヌス毒素注射による治療が効果的な場合があります。ボツリヌス毒素は、過剰に収縮する筋肉を一時的に弛緩させることで不自然な動きを抑制し、後遺症を軽減させるとともに、リハビリテーションも行いやすくします。

最終更新日:
2025年05月15日
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2025/05/15
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

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