原因
ファブリー病は、X染色体にあるGLA遺伝子の異常により引き起こされます。GLA遺伝子は、細胞内のライソゾームと呼ばれる細胞小器官の酵素のひとつである、α-ガラクトシダーゼAの生成に関わっています。
α-ガラクトシダーゼAは、グロボトリアオシルセラミドなどの糖脂質を分解する役割を担う加水分解酵素です。GLA遺伝子の異常により酵素の活性が低下し、その結果、糖脂質が分解されずに体内に蓄積し、ファブリー病が引き起こされます。
ファブリー病は、X連鎖性遺伝形式をとる遺伝性の病気です。性染色体に関して、男性はX染色体とY染色体を一つずつ、女性はX染色体を二つ持っています。
保因者の女性が子どもを産んだ場合、男児はX染色体を一つしか持たないため、2人に1人が変異遺伝子を受け継ぎ、発病します。女児の場合は、X染色体を二つ持つため2人に1人は親から変異遺伝子を受け継ぐヘテロ接合体の状態となります。
X染色体のランダムな不活性化の影響により、ヘテロ接合体でも必ずしも無症状ではなく発病する場合があります。そして、発病する場合はその臨床像はさまざまです。
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