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ラテックスアレルギー

最終更新日:
2024年12月03日
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2024/12/03
更新しました
2018/07/19
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概要

ラテックスアレルギーとは、ゴム手袋やゴム風船などに含まれる“ラテックス”と呼ばれる天然ゴムの成分によって引き起こされるアレルギー反応です。

ヒトの体には、ウイルスや細菌などを異物と捉え、体内から排除するようはたらく免疫という機能が備わっています。アレルギー反応とは、通常体に害を与えない物質(花粉や食べ物など)に対してこの免疫が過剰に反応し、さまざまな症状が引き起こされることをいいます。

ラテックスアレルギーではラテックスに触れた部位や全身に蕁麻疹(じんましん)や皮膚の赤み、かゆみなどの症状を認めるほか、重篤な例ではアナフィラキシーショックを起こすこともあります。

治療としては、ラテックスを含む天然ゴム製品の使用を可能な限り避け、必要に応じて薬物療法を行います。ラテックスは日常生活上でさまざまな物質に含まれるため、注意が必要です。

原因

ラテックスアレルギーでは、天然ゴムに含まれるラテックスがアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)となり、アレルギー反応が引き起こされます。

ラテックスは、ゴム手袋やゴム風船、カテーテルなどの医療用チューブ、コンドームなどさまざまなゴム製品に含まれています。

仕事などでゴム手袋を常時使用しておりラテックスと皮膚や粘膜が接触する時間が長い人、慢性的に肌荒れしていて皮膚のバリア機能が低下している人などは発症のリスクがあるといわれています。そのため、医療従事者や清掃業、製造業など、天然ゴム製品を使用する頻度が高い職業に従事している方は、ラテックスアレルギーを発症するリスクが高いといわれています。

症状

ラテックスアレルギーでは、ラテックスを含む物質に接触してから数分以内に皮膚のかゆみ蕁麻疹などの皮膚症状のほか、くしゃみや鼻水、喉のかゆみ、喘息などの呼吸器症状がみられることもあります。さらに、もっとも重症なケースでは血圧の低下や呼吸困難をきたすアナフィラキシーショックを引き起こし、命に関わる可能性もあります。

また、ラテックスアレルギーの人はバナナやアボカド、栗、キウイフルーツなどの果物摂取によるアレルギーが起こるリスクが高く、重症化しやすい傾向にあります(ラテックス・フルーツ症候群)。

検査・診断

症状からアレルギーが疑われる場合には、問診のほか血液検査や皮膚テストなどを行い、原因となるアレルゲンを特定します。

問診では、食物などに対するアレルギーの有無や、職業、症状の持続期間などを確認します。

血液検査では、アレルギーを起こした際に増加する好酸球(白血球の一種)の数値のほか、IgE抗体の有無などを調べます。

皮膚テストでは、アレルゲンとなり得る物質からの抽出液を希釈し、その溶液を皮膚に一滴乗せ、針でその部位を刺した後の皮膚状態を確認する“プリックテスト”などが行われます。針を刺してから15分後に出現した膨疹の大きさを測定して判定します。

治療

検査の結果ラテックスアレルギーと診断された場合には、ラテックスを含む天然ゴム製品の使用を避け、必要に応じて薬物療法が行われます。日常でゴム手袋などを使用する場合には、合成ゴム製品やプラスチック製品を選ぶようにしましょう。

薬物療法では、蕁麻疹や皮膚のかゆみなどの皮膚症状に対し、ステロイド薬や抗ヒスタミン薬の内服などが検討されます。また、これまでにアナフィラキシー症状を起こしたことがある場合には、医師の指示に従いアドレナリンの自己注射薬の携帯が推奨されます。アレルギー反応が現れた場合には速やかに自己注射を行い、医療機関を受診しましょう。万が一ラテックスアレルギーによってアナフィラキシーショックをきたした場合には、緊急治療が必要です。医療機関では、酸素投与やアドレナリンの投与、補液などが行われます。

ラテックスアレルギーそのものの治療としては、舌下免疫療法(SLIT)による免疫寛容の誘導(持続的に原因となる物質を投与することでアレルギー反応を起こしにくい状態にすること)が試みられており、これまでにプリックテストでのアレルギー反応の低下がみられた報告が数例あります。

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