かたいこつこっかんぶこっせつ

下腿骨骨幹部骨折

最終更新日:
2024年12月19日
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2024/12/19
更新しました
2017/04/25
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概要

下腿骨骨幹部骨折とは、膝から足首まで(下腿)を構成する“脛骨(けいこつ)”と“腓骨(ひこつ)”という2本の骨の内のいずれかまたは両方の中央部分付近に生じる骨折の総称です。

脛骨は皮膚の下に直接触れることができ、この部分を骨折すると折れた骨の断片が皮膚を突き破って外へ飛び出す“開放骨折”を容易に引き起こします。開放骨折によって骨髄炎(こつずいえん)(骨が感染を起こすこと)などの感染の危険性が高まり、治療が難しくなるケースも少なくありません。神経や血管の損傷を伴うこともあります。

治療方法は、骨折部位のずれの程度、年齢、全身状態などによって異なり、骨折部のずれが小さい場合はギプス固定などを行って骨が自然にくっつくのを待ちます。骨折部が大きくずれている場合や、開放骨折の場合は手術による治療が必要です。

原因

下腿骨骨幹部骨折は、下腿を構成する脛骨、腓骨という2本の骨のいずれかまたは両方が中央部付近で骨折するものを指します。

交通事故やスポーツ中の事故などで強い外力が加わることにより起こることが多く、転倒時に骨折することもあります。骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を発症している方は、特に骨折のリスクが高まります。

症状

下腿骨骨幹部骨折では骨折部位に非常に強い痛みや腫れなどが生じ、歩行が困難になります。周囲の神経や血管の損傷を伴い、しびれや皮膚の冷感といった症状が現れることがあります。

また、開放骨折の場合は、早急に処置をしなければ骨や周囲の組織に感染を引き起こすことがあるため注意が必要です。なお、脛骨の下半分は比較的周囲の血流が少ないため、骨折すると治りにくいといわれています。

検査・診断

下腿骨骨幹部骨折が疑われる場合は、以下のような検査が必要です。

画像検査

骨折の有無を確認するためにX線検査を行います。交通事故などの体に大きな力が加わって起こる外傷(高エネルギー外傷)の場合には、CT検査で全身状態の確認を行うことがあります。

血液検査

開放骨折の場合は、炎症や貧血の程度など全身の状態を評価するために血液検査を行います。

治療

下腿骨骨幹部骨折の治療方法は、骨折部位のずれの程度、年齢、全身状態などさまざまな要因を総合的に判断して決定されます。

骨折部位のずれが小さい場合は患部を安静にしてギプスやシーネ(副子)などで固定したり、患部を牽引(けんいん)*したりする保存治療が行われます。

骨折部位のずれが大きい場合には、手術を要することが多く、主に髄内釘(ずいないてい)と呼ばれる金属製の棒を骨内に挿入し、骨折している箇所を固定する治療が行われます。

開放骨折の場合には、骨折部から離れた箇所の骨に刺した鋼線と金属製のフレームを組み合わせて一時的に骨折部を固定します(創外固定)。その後、患部の洗浄などによって感染を慎重に予防してから、最終的に髄内釘などにより骨をくっつける手術を行う場合があります。

*牽引:持続的に患部を引っ張り、折れた骨を元の位置に戻す方法。

予防

下腿骨骨幹部骨折は交通事故などの強い外力が加わることで引き起こされるため、事故やけがを防ぐことが大切です。

また、骨粗鬆症を発症している場合は、運動やカルシウムの摂取のほか、カルシウムの吸収を高めるビタミンDを体内で合成するために適度に日光に当たることなどが大切です。女性の場合は閉経後に骨粗鬆症を発症することが多いため、定期的に検査を受けて、必要であれば適切な治療を継続しましょう。

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