原因
人は直立二足歩行を行うため、常に体のバランスを保つ必要があります。これを平衡感覚といいますが、主に脳と内耳の働きによって保たれています。
脳の中で平衡感覚を司るのは、小脳と脳幹と呼ばれる部位です。一方、内耳にある三半規管は体の傾きや加速度を敏感に感知する働きを持ちます。
三半規管で感知された体のバランスに関する情報は、脳幹を通って小脳へと伝えられ、バランスを保つような運動の指令を大脳の運動野に伝えることで、体のバランスが成り立っています。つまり、脳幹は体のバランスに関する情報を三半規管から受け取って小脳へ送り、小脳ではその情報を基にどのような体勢や運動を行えば体のバランスを維持できるかを瞬時に計算して、大脳運動野に運動の仕方を命令するのです。
このため、脳幹と小脳に異常が生じると、体のバランスを保つことができず、めまいが生じます。主な原因は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって脳幹や小脳にダメージが加わることで、その他には脳幹や小脳の腫瘍、脊髄小脳変性症などの変性疾患などが挙げられます。
また、低血圧や不整脈などによる一時的なめまいは、脳への血流が減少して脳が酸欠状態になることで生じるめまいであり、立ちくらみなどと表現されることもありますが、これらも中枢性めまい症の一種であるとの考え方もあります。
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