ぎつうふう

偽痛風

最終更新日
2022年08月01日
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2022/08/01
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

偽痛風とは、ピロリン酸カルシウム(CPPD)の結晶が関節の軟骨に沈着することで、急激に関節炎を起こす病気を指します。

発作の症状が痛風に似ていることから偽痛風と名付けられましたが、正式には“ピロリン酸カルシウム関節炎”と呼びます。また、炎症の有無にかかわらず結晶が沈着している状態を“ピロリン酸カルシウム結晶沈着症”といいます。

関節炎の原因物質はそれぞれに異なり、痛風では長い針状の尿酸ナトリウム結晶が沈着するのに対し、偽痛風では正方形・長方形・平行四辺形のピロリン酸カルシウム結晶が沈着することで関節炎が発生します。

どちらも関節炎が発生するメカニズムは同じですが、偽痛風においてピロリン酸カルシウム結晶が沈着する原因はまだ明確に分かっていません。

しかし、加齢などに伴う関節の変形が大きな原因と考えられていて、高齢の人に結晶の沈着がよく認められ、85歳以上では約50%に結晶の沈着を認めるとされています。性差については、痛風では男性が圧倒的に多いですが、偽痛風において男女差はほとんどありません。

原因

偽痛風の原因は、ピロリン酸カルシウム結晶の関節軟骨への沈着です。関節局所にピロリン酸カルシウムが過剰に存在するために、結晶化して沈着すると考えられています。

なぜ関節局所に結晶が沈着するのかについては分かっていませんが、高齢、外傷(手術を含む)、代謝性疾患(低マグネシウム血症、低リン血症、ヘマクロマトーシス、痛風副甲状腺機能亢進症など)、遺伝性疾患などをよく伴うことから、このような病態による関節の変形や代謝性変化に続いて結晶が沈着することが示唆されています。

また、一部では家族内での発生も認められるため、遺伝的な要因もあると考えられています。

症状

ピロリン酸カルシウム結晶が大量に沈着しているにもかかわらず無症状で経過する人もいますが、典型的には大関節に強い痛みが生じ、発熱、関節が腫れる、赤くなる、運動時の痛みなどを認めます。

もっとも頻度が高い部位は膝関節(しつかんせつ)で、偽痛風の半数以上が膝関節に症状が出現します。そのほかの部位としては、肩関節、足関節、手関節によく起こります。

検査・診断

偽痛風の診断にはX線検査が用いられ、関節に結晶が沈着しているとX線検査で石灰像が認められます。さらに関節穿刺液検査(かんせつせんしえきけんさ)を行うことで診断が確定します。

関節穿刺液検査は、関節内に注射針を入れて関節液の一部を採取する検査です。採取した関節液を偏光顕微鏡という特別な顕微鏡を用いて観察することで結晶の種類を同定でき、痛風と鑑別することができます。

また、細菌による化膿性関節炎では細菌の有無を調べることができます。ほかの病気との鑑別のために血液検査も行います。

治療

現在のところ、偽痛風に対する効果的な治療法はありません。そのため、痛みを和らげるための対症療法が中心となります。

急性の関節炎に対しては非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)が用いられ、これを内服して痛みの軽減を図ります。複数の関節が同時に炎症している場合や、全身性の炎症反応が強い場合にはステロイド薬を全身投与することもあります。また、医療機関では、局所の治療として穿刺による関節液の排出とステロイド薬の関節内注入もしばしば行われます。

自宅でできる処置としては患部の冷却が有効です。冷却することで炎症が治まり、痛みが軽くなる場合があるため、痛みがあるときには保冷剤をタオルに巻いて患部に当てて冷やしてみましょう。

変形性関節症を合併している人で、関節の変形に伴って日常生活に大きな支障をきたす歩行障害がある場合には、人工関節置換術などの外科的治療が検討されることもあります。

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