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円板状エリテマトーデス

同義語
DLE,慢性円板状エリテマトーデス
最終更新日:
2024年10月08日
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2024/10/08
更新しました
2017/04/25
掲載しました。
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概要

円板状エリテマトーデス(DLE)とは、頭や顔、耳の周辺の皮膚などを中心に、境界のはっきりとした少し盛り上がりのある赤色の皮疹(紅色局面)が生じる病気です。円板状エリテマトーデスは、エリテマトーデスと呼ばれる膠原病(こうげんびょう)に含まれます。エリテマトーデスには、全身に症状がみられる“全身性エリテマトーデス”と皮膚だけに症状がみられる“皮膚エリテマトーデス”があります。円板状エリテマトーデスは、皮膚エリテマトーデスの1つとして、あるいは全身性エリテマトーデスの一症状として分類されることがあります。円板状エリテマトーデスは、全身性エリテマトーデスの男女比である1:9と比較すると患者の男女差が少なく、好発年齢は全身性エリテマトーデスの15~65歳よりもやや高いことが特徴です。また、発症当初は円板状エリテマトーデスであったものが、全身性エリテマトーデスに移行することもあります。発症原因はいまだ不明で、治療では薬物療法などが検討されます。

原因

円板状エリテマトーデスは特定の自己抗体(自分の体を攻撃してしまう抗体)が出現することによって起こる“自己免疫疾患”と考えられています。ただし自己抗体が出現する原因については、まだ詳しく分かっていません(2024年9月時点)。

症状

皮膚に境界のはっきりとした少し盛り上がりのある赤色の皮疹(紅斑局面)が生じます。好発部位は、頭や顔、耳の周辺など光に当たりやすく目に見える部分のほか、唇、口の中などの粘膜です。1つだけ生じることもあれば、複数生じることもあります。頭の皮膚に生じた場合、髪の毛が抜ける(瘢痕性脱毛(はんこんせいだつもう))ことも少なくありません。なお、首より下に病変が多発する場合には、“汎発性(はんぱつせい)円板状エリテマトーデス”と呼ばれます。

円板状エリテマトーデスの病変部分は毛穴が開いてしまったり、角質がはがれて皮膚の表面に蓄積したものが剥がれ落ちる“落屑(らくせつ)”が生じたりすることもあります。また、皮膚の深い部分にダメージを受け、皮膚が欠損する“潰瘍(かいよう)”を引き起こすこともあります。

最終的に病変は治っていきますが、中心部に傷あとや色素が抜けたあとが残ります。また、一度病変が治っても慢性的に繰り返すことがあり、“有棘細胞(ゆうきょくさいぼう)ん”など別の病気へ発展することもあるため、注意が必要です。

検査・診断

円板状エリテマトーデスは皮膚病変から疑われることが一般的です。視診などから疑わしいと判断された場合には、皮膚の病変の一部を採取して顕微鏡で見る病理検査が行われます。血液中の自己抗体などを調べる血液検査や全身の臓器への影響を評価するため尿検査などを実施することもあります。これらの結果を元に、以下のような病気との鑑別を行って診断されます。

など

治療

円板状エリテマトーデスは、日光の当たる部位に病変ができやすいため、診断後は日傘や帽子を活用するなど、なるべく皮膚に日光が当たらないようにしましょう。

薬物療法では、ステロイドや免疫抑制薬であるタクロリムスなどの外用薬(塗り薬)、ヒドロキシクロロキンの飲み薬が有効な場合もあります。治りにくい病気であるため、長期にわたって治療を続けることが大切です。

円板状エリテマトーデスは、全身性エリテマトーデスへ移行する可能性があるほか、複数回繰り返すことにより有棘細胞がんへと発展する恐れもあります。そのため、診断後は定期的に医療機関を受診しましょう。

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