原因
骨の中は通常は無菌状態ですが、何かしらの原因により細菌、結核、真菌などの病原体が入り込んで炎症を起こすことがあり、化膿性骨髄炎と呼まれます。代表的な病原体は黄色ブドウ球菌(MRSAを含みます)であり、その他にもA群溶連菌、B群溶連菌、サルモネラ菌、肺炎球菌、緑膿菌などがあります。結核や真菌が原因となることはまれですが、免疫抑制状態にある方においてはリスクが高まります。
骨髄に病原体が運ばれる経路はいくつかありますが、血流感染に関連して化膿性骨髄炎を発症することがあります。これは、体のどこかで感染症を引き起こした場合に、血液中に病原体が入り込むことから発症する経路です。骨髄への血液供給は豊富であるため、構造的に病原体がトラップされやすい部位において化膿性骨髄炎を発症することになります。
開放骨折や骨関連の手術(股関節置換術など)など、骨に対しての直接的な侵襲が加わることを原因として化膿性骨髄炎が発症することもあります。外傷に関連して骨が皮膚表面から突き出てしまう場合や、人工物を体に留置した場合にも化膿性骨髄炎の発症リスクが高まります。
その他、糖尿病を基礎疾患として発症するタイプの化膿性骨髄炎もあります。糖尿病では足を中心として壊疽(壊死の一種)病変を形成するリスクがあり、皮膚の病変が徐々に骨髄へと波及することがあります。
医師の方へ
「化膿性骨髄炎」を登録すると、新着の情報をお知らせします