概要
単純性紫斑とは、皮膚に現れる赤紫色~暗褐色のあざの1種です。あざの形状は多様で3mm以下の小さな点のようなあざ(点状出血)が数多く生じることもあれば、それ以上に大きいあざ(斑状出血)がいくつか生じることもあります。
単純性紫斑は主に若い女性の下肢によく現れることが特徴で、ぶつけたり、転んだりといった原因がなく生じます。似たようなあざに“老人性紫斑”がありますが、こちらは加齢によって血管組織がもろくなることによって軽い衝撃をきっかけに起こり、高齢者の手の甲や腕部分に好発します。どちらも特別に危険な病気というわけではなく、ごくありふれたあざの1つです。一般的には安静にしていれば、時間の経過とともに自然にあざが消えることが特徴です。
原因
単純性紫斑の発症原因はよく分かっていません。
脳梗塞と心筋梗塞に対する抗血小板薬(アスピリン等)、心房細動による脳梗塞を予防する抗凝固薬(ワルファリン、直接作用型経口抗凝固薬)を内服中は、薬剤性紫斑が出やすくなります。
検査・診断
単純性紫斑は一般的には問診・視診などで診断できると考えられます。しかし、時に“特発性血小板減少性紫斑病”“IgA血管炎”など、あざの生じるほかの病気と見分けるために、血液検査が検討されることがあります。特に特発性血小板減少性紫斑病の場合には、あざだけでなく鼻血や生理中の出血が増えるといった症状も起こることがあります。
単純性紫斑であった場合には、血液検査(血小板数・血液凝固など)には特に異常が現れず、正常とされます。
治療
単純性紫斑は安静にしていれば、自然と消失することが一般的です。そのため、特に治療の必要はないと考えてよいでしょう。ただし、あざの生じる病気はほかにも複数存在するため、気になる症状が続く場合には1人で悩まずに医療機関の受診を検討するようにしましょう。特にあざの発生が繰り返される場合や、あざのほかにも気になる症状がある場合には注意が必要です。
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