概要
単純性紫斑とは、特にぶつけた覚えがないにもかかわらず、気がついたら足に出血斑(紫斑)ができている状態のことを指します。単純性紫斑は、女性に多く発生することが知られています。出血の原因となる明らかな病気が存在していない場合に下される診断名であり、重篤な経過になることはなく、予後良好な病気です。ただし、虐待などの関係で紫斑が出現することもあるため、注意が必要です。
原因
単純性紫斑は非常にありふれたものですが、その原因は不明です。気付くことのないような、ごく軽い外傷が、紫斑のきっかけになっていると想定されることもあります。
また、皮下脂肪との関係性や皮膚の色なども、単純性紫斑の発生に関与していると推定されています。その他、紫斑ができやすい素因が家族性にみられることもあります。
症状
単純性紫斑では、下腿や前腕などに主に小さな点状出血が見られます。出血の原因となるような外傷歴もなく、身に覚えがないのに点状出血ができたといったかたちで認識されることが多いです。
容易に紫斑ができる状態ではありますが、それによって健康被害を生じることはありません。出血に伴う貧血や、命の危険にさらされるような消化管出血や脳出血などは通常引き起こしません。また、血友病では関節の中に出血を繰り返すことで関節変形をきたすこともありますが、単純性紫斑ではそのような現象をみることもありません。
検査・診断
単純性紫斑では、皮下に出血をきたしやすいその他の原因が存在していないかどうかを確認することが重要です。そのため、血液検査を行い血小板や凝固機能といった項目を測定することになります。その他にも全身症状の確認や、尿検査なども行われます。
これらの検査を通して、出血を来しうる原因が特定できない場合に「単純性紫斑」の診断が下されることになります。
治療
単純性紫斑では、特に治療介入を行わずに、経過観察をしていくことになります。手足に生じた紫斑は特別な治療をしなくても、数週間の経過で色調が変化し、最終的には跡形もなく消失することが期待できます。
一般的にNSAIDsなどの薬剤のなかには、出血傾向を促進しうるものがあることが知られています。女性の場合、生理痛や頭痛の痛み止めとしてこれら薬剤を使用していることがあり、単純性紫斑の症状が増悪することが懸念されます。そのため、紫斑が増悪しないようにこれら薬剤の使用を控えることも検討されます。
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