症状
卵巣は“沈黙の臓器”と呼ばれるように、何らかの病気を発症しても自覚症状はほとんどありません。しかし、進行して腫瘍が大きくなると下腹部の張りや痛み、腰痛などを引き起こします。また、腫瘍が膀胱や大腸を圧迫することで頻尿や便秘を引き起こしたり、性交痛や排便痛が見られたりすることも少なくありません。さらに腫瘍が大きくなると、下腹部を中心に腹囲が異常に拡大し、体表面からしこりを触れるようになります。また、腫瘍が大きくなる前からお腹に水がたまる(腹水)場合があります。なかには胸にも水がたまって(胸水)呼吸困難などの症状を引き起こすことがあります。
そして、卵巣腫瘍は大きくなりすぎると破裂する危険性があります。ある一定の大きさになると卵巣の血管が捻じれる茎捻転を引き起こしたりすることがあり、激しい下腹部の痛みが生じます。茎捻転のときには卵巣を早急に切除しなければ死に至る可能性もあるため注意が必要です。
なお、良性腫瘍は転移を起こすことはありませんが、悪性腫瘍は進行するとがんが腹膜に転移し、お腹の中の全体に転移が広がってしまうケースも少なくありません。実は、卵巣がんの半数はすでにお腹に広がっている状態で発見されます。このような場合には、上述した卵巣腫瘍としての症状だけでなく、食欲不振・倦怠感・貧血・体重減少などさまざまな全身症状が引き起こされます。
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