治療
唾液腺腫瘍の治療は、手術による摘出術が一般的です。良性腫瘍の場合でも、症状がないからといって手術を受けないと徐々に大きくなり将来切除不能になることも考えられるので、高齢で手術が難しいなどの事情がなければ早期の切除を推奨します。また、多形腺腫のような良性腫瘍でも、長期間放置しているとがん化したり、1度切除してもまれに再発したりすることがあるため、手術後の経過観察が大切になります。
さらに、腫瘍が比較的大きな場合は、術後の合併症が発現することがあります。耳下腺(耳の前に)に発生した唾液腺腫瘍は、摘出後に顔面神経麻痺や汗が過剰に発生するFrey症候群などの合併症が考えられます。悪性腫瘍の場合は、手術でがんを含め広範囲に切除する必要があります。
一般的に放射線治療やがん薬物療法よりも優先して手術が検討されます。腫瘍の摘出とともに、頸部のリンパ節に転移している場合には、リンパ組織を切除する頸部郭清術が行われるほか、顔の神経にがんが入り込んでいる場合には、神経移植が行われることもあります。また進行がんでは、手術の後に放射線治療や化学療法が検討されることもあります。
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