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だいたいこつけいぶこっせつ

大腿骨頸部骨折

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

大腿骨頸部骨折とは、大腿骨の一部である大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)と呼ばれる部分に生じる骨折です。

大腿骨は人体のなかでも太い骨ですが、加齢や骨粗しょう症など、骨がもろくなる状況が重なると大腿骨頸部骨折を発症しやすくなります。高齢化の進む日本において、大腿骨頸部骨折は増加の一途をたどっており、転倒をきっかけとして骨折が生じその後寝たきりになってしまう方も少なくありません。日本では年間約10万人が受傷しており、女性に多いとも報告されています。

大腿骨頸部骨折を発症すると、日常生活に著しい障害を引き起こすことになります。そのため、可能な限り手術的な治療介入を行い、機能回復を図ることが推奨されます。
 

原因

大腿骨とは太ももを形成する骨のことを指します。大腿骨は、その付け根において骨盤骨とともに股関節を構成する大切な骨でもあります。大腿骨頸部とは、大腿骨のなかでも股関節を形成する側の付け根に当たる部分です。

大腿骨頸部と骨盤との間で構成される股関節は、可動性・安定性を高めるために「関節包(かんせつほう)」と呼ばれるもので両者が強化されています。関節包はいわゆる靭帯のことであり、股関節がしっかりと、滑らかに動くことができるような構成をとっています。

大腿骨頸部骨折とは、大腿骨頸部が骨折を起こすことをいいますが、骨折が関節包の外で生じたのか内部で生じたのかに応じて区別され、関節包の内部における骨折のことを大腿骨頸部骨折と呼びます。一方、関節包の外側で頸部骨折を起こすこともありますが、この場合は、大腿骨転子部骨折と呼びます。
関節包の内外で骨に対する血液供給量に差があるため、このように分類されています。関節包の外側は血流がよいのですが、外側は血流が乏しいです。この血流量の差は、そのまま骨折の治りやすさにも影響を与えることが知られており、血流の乏しい関節包内の骨折である大腿骨頸部骨折ではなかなか骨が治りません。逆に血流が豊富な関節包外の骨折である大腿骨転子部骨折では骨がくっつきやすいです。

大腿骨頸部骨折は、なにかしらの原因で骨がもろくなっていることが基盤として骨折が発症します。骨がもろくなる要因として代表的なのは、骨粗しょう症です。そのほかにも、糖尿病、腎機能低下、甲状腺機能亢進症、胃切除術の既往、喫煙、加齢、未産などもリスク因子として挙げられます。特に女性において骨密度が低下影響を受けやすく、転倒をきっかけとして骨折が発症します。しかし、明らかな外傷がなくとも大腿骨頸部骨折は発症することも知られています。
 

症状

大腿骨頸部骨折を発症すると、足の付け根の痛みと腫れを認めるようになり、歩行困難になります。関節包に包まれていない部位で発症する大腿骨転子部骨折の場合は、骨折に伴う出血が進行するリスクも高く、貧血症状を呈することもあります。

大腿骨頸部骨折は高齢者に生じることが多いということもあり、認知症の方に発症することもあります。そのため、骨折していても症状の訴えが乏しいこともあります。また、何かしら介護が必要な方に対して、介護中に生じる軽微な外傷に対して骨折が発症することもあります。必ずしも転倒と関連して骨折が発症するとは限らないことや、訴えがはっきりしない場合もあることは、骨折の発症をより早期に発見するためにも重要な視点です。
 

検査・診断

大腿骨頸部骨折の診断では、レントゲン写真、CT、MRIといった画像検査が重要になります。レントゲン写真はより簡便に撮影することが可能であり、第一スクリーニングとしては有用です。骨折部のずれの評価にはCTを用います。MRIはレントゲン写真では明らかでない場合に撮影されることがあります。

治療

大腿骨頸部骨折を発症すると、日常生活において著しい質の低下を認める可能性があるため、基本的には手術によって根治を目指します。

手術方法としては、自身の骨を残しつつ骨の固定を図る「骨接合術」と、人工物で股関節を形成する「人工骨頭置換術」に大きく分けることができます。手術方法の選択については、年齢や普段の活動度、骨折の重症度などを考慮して適宜選択されます。

たとえば、高齢者において関節包内に発生する大腿骨頸部骨折がみられた場合、特に重症度の高い場合には血流の関係から骨接合術では骨の再生を高く期待することは難しいです。そのため、人工骨頭置換術が推奨されることになります。人工物には老朽にともなう再手術の必要性が伴うデメリットもあるため、術後の生命予後を考慮することも求められます。また、術後感染症のリスクも看過することはできません。

大腿骨頸部骨折では術後のリハビリも重要です。高齢者では骨折、手術後に長期臥床の状況になると、急速な速度で活動度が低下します。なかには認知症の進行がみられることもまれではありません。こうしたことを防ぐためにも、適切なタイミングで活動度を上げる努力も必要です。
 

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