しきゅうないまくぽりーぷ

子宮内膜ポリープ

最終更新日:
2024年12月12日
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2024/12/12
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概要

子宮内膜ポリープとは、子宮内膜の一部が過剰に増殖してポリープと呼ばれる突起物が形成される病気です。ポリープとは皮膚や粘膜の一部が盛り上がった状態を指し、このポリープが子宮内膜(子宮の内側を覆っている組織)に生じた状態を子宮内膜ポリープといいます。大きさは1cm未満から数cmまでさまざまで、単独または複数のポリープが存在することがあります。

子宮内膜ポリープの正確な原因は不明ですが、女性ホルモンの一種“エストロゲン”の過剰作用が発症に関与していると考えられています。

無症状のこともありますが、不正出血や過多月経などの症状がみられることもあります。また、不妊症の原因となる可能性があるため、妊娠を希望する場合には治療が推奨され、主にポリープを切除する手術が行われます。

PIXTA
図:子宮内膜ポリープ
イラスト:PIXTA

 

原因

子宮内膜ポリープは子宮内膜の一部が過剰に増殖することが原因で発症します。子宮内膜にポリープが発生する詳細なメカニズムは分かっていません。女性ホルモンの1つであるエストロゲンは子宮内膜を増殖させる作用を持っており、エストロゲンの過剰な作用が関与していると考えられています。そのほか、加齢、高血圧、肥満などが子宮内膜ポリープの発症リスクを高める可能性が指摘されています。

また、乳がんの治療薬として使用されるタモキシフェンには、子宮内膜を増殖させる作用があり、その服用によって子宮内膜ポリープの発生リスクが増加することが報告されています。

症状

子宮内膜ポリープの症状は人によって異なり、無症状で経過する場合もあれば、症状が現れる場合もあります。特徴的な症状として、通常の月経周期以外のタイミングで出血が起こる不正出血と、月経時の出血量が著しく増加する過多月経が挙げられます。これらの症状が続くと、貧血を引き起こすことがあります。また、子宮内膜ポリープは受精卵の着床を妨げる可能性があり、不妊症の原因となることがあります。

検査・診断

子宮内膜ポリープの診断は、複数の検査方法を組み合わせて行われます。基本的な検査は経腟超音波検査で、超音波プローブを腟に挿入して子宮内腔を観察します。より詳細な観察が必要な場合には、子宮鏡検査が実施されます。これは子宮鏡という専用の器具を子宮内に挿入し、ポリープの数や位置、大きさ、表面の性状を直接確認する方法です。

また、ソノヒステログラフィー(SHG)という検査では、生理食塩水を子宮腔内に注入して経腟超音波検査を行います。生理食塩水によって子宮腔が広がることで、内膜病変をより明確に観察することができます。

さらに、がんの可能性を確認するために子宮内膜細胞診が実施されることがあります。これは子宮内腔表面の細胞を採取して顕微鏡で観察する検査です。子宮内膜ポリープの大多数は良性ですが、がんの可能性が疑われる場合には、より詳細な検査が追加で行われることもあります。

治療

子宮内膜ポリープの治療方針は、ポリープの大きさや症状、患者の状況を考慮して決定されます。小さなポリープで症状がない場合には、自然に消失する可能性があるため、治療はせず定期的な経過観察が選択されることがあります。一方、不正出血などの症状が現れている場合やポリープが不妊の原因と考えられる場合には、子宮鏡下手術によるポリープの切除が行われます。

手術による切除後は再発の可能性があるため、定期的な婦人科検診による経過観察が重要です。子宮内膜ポリープを切除すると、子宮内膜の状態が改善され、妊娠率が向上することが報告されています。

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