治療
治療は細胞の異型の有無(「子宮内膜増殖症」か「子宮内膜異型増殖症」か)に応じて大きく異なります。その上で年齢や妊娠・出産の希望の有無を加味して個別に検討がなされます。
「子宮内膜増殖症」の場合
細胞の異型がない子宮内膜増殖症は60%以上が自然に治るため、治療を行わずに経過観察することが一般的です。定期的に外来で診察を行い、超音波検査や病理検査(細胞診、または組織診)により子宮内膜増殖症の経過を評価していきます。性器出血が持続する場合やそれによる貧血が強い場合などにホルモン剤を用いた治療が行われることもあります。
「子宮内膜異型増殖症」の場合
まずは子宮体がんがないか調べることが重要です。このために麻酔を行なった上で子宮内膜全体を削り取る「子宮内膜全面掻爬」と呼ばれる処置を行います。病理検査で子宮体がんがないことを確認した上で子宮内膜異型増殖症の治療へ進みます。
子宮内膜異型増殖症の治療では、子宮を取り除く手術 (子宮全摘出術)を行うのが一般的です。ただし妊娠の希望がある場合には、状況に応じて子宮を摘出せずに高用量の黄体ホルモン剤 (メドロキシプロゲステロン酢酸エステル:MPA)の投与を行う場合や、検査と治療を兼ねて定期的に子宮内膜全面掻爬を行う場合があります。妊娠の計画や治療期間など担当医とよく相談することが重要です。
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