きゅうせいこうまくかけっしゅ

急性硬膜下血腫

最終更新日:
2024年06月12日
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2024/06/12
更新しました
2017/04/25
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概要

急性硬膜下血腫とは、頭部外傷(けが)などが原因で脳や脊髄(せきずい)を覆っている膜(硬膜)と脳の間に出血が起こり、そこに血液がたまること(血腫)によって脳が圧迫される病気です。

多くの場合、外傷などの強い衝撃が脳に加わることで脳挫傷(のうざしょう)(脳の損傷)が生じ、そこから出血して硬膜下に出血が起こります。脳挫傷によって受傷直後から意識障害がみられることが多いものの、脳には損傷がなく脳血管のみが傷ついている場合、徐々に意識障害が現れることもあるので注意が必要です。また、急性硬膜下血腫はどの年齢でも起こり得ますが、特に高齢者に多くみられます。

原因

急性硬膜下血腫の多くは、頭部外傷に伴って起こります。脳に強い衝撃が加わり脳挫傷を生じた部位から出血するほか、脳がほとんど損傷していなくても脳の表面の血管が傷ついて出血することで発症する場合もあります。また、頭を強くぶつけたときや転んで脳が強く揺さぶられたときに、脳と硬膜をつなぐ静脈が裂けて出血することによって起こることもあります。

症状

脳挫傷など脳に大きな損傷を伴う急性硬膜下血腫では、外傷を負った直後から意識障害や半身麻痺、片側の目の瞳孔(どうこう)が開くなど、重い症状がみられることがあります。そのほか、うまく話せない(失語)、ぼんやりとしていて反応が乏しい、周りが声をかけても目を開けず反応しない(いずれも意識障害)など、さまざまな症状がみられます。ただし、脳の損傷が小さかったり損傷がない場合は、徐々に意識障害などが現れることもあるため注意が必要です。

検査・診断

症状などから急性硬膜下血腫が疑われる場合、頭部CT検査が行われます。頭部CT検査の画像所見では、一般的に脳の表面に三日月型の血の塊(血腫)が確認され、これが脳を圧迫している様子が確認できます。頭部MRI検査も急性硬膜下血腫の診断に有用ですが、緊急で実施できる医療機関は限られます。

治療

急性硬膜下血腫は重症度に応じて治療方針が異なります。

出血量が少なく症状が軽い場合

比較的軽症であると判断された場合、すぐに手術治療は行わず入院して様子を見ます。入院期間中は出血を抑える薬(止血薬)や血圧のコントロールなどによって脳の出血を抑え、頭部CT検査やMRI検査などの画像検査を行いながら、経過を確認します。場合によっては、受傷から10~14日ほど経った後血腫の量が多くなったり、脳が腫れたりして突然症状が強くなるようなケースもあります。

受傷直後は症状が軽くても、時間の経過とともに出血量が増え、症状が悪化した場合には手術治療が行われます。また、出血が増えなかった場合でも、受傷から数週間~1か月程度経った後に慢性硬膜下血腫へ移行するケースもあるため注意が必要です。

出血量が多い場合

出血量が多い場合は、速やかに手術治療が行われます。一般的に手術は全身麻酔下で、開頭血腫除去術が行われます。頭蓋骨(ずがいこつ)を切り開いて、内部にたまっている血腫を取り除き、出血の元となる部分を同定して止血を行います。

脳の損傷が強く脳全体が腫れている場合などには、外した頭蓋骨を戻さずに皮膚を縫合することで、頭蓋内の圧力を減らす治療を行うこともあります(外減圧術)。全身の状態が悪く全身麻酔を行うのが難しい例や、さらに緊急性が高い例では、局所麻酔下で頭蓋骨を小さく切り開き、血腫を除去することもあります。

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