きゅうせいいえん

急性胃炎

最終更新日:
2024年10月02日
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2024/10/02
更新しました
2018/08/22
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概要

急性胃炎とは、胃の粘膜に急激に炎症性変化が起こっている状態です。発症すると、胃のむかつきやみぞおち周辺の痛み、吐き気・嘔吐、食欲低下などの症状がみられます。重症化すると、黒色便(血液の成分が混ざった黒い便)や吐血などの症状がみられることもあります。

急性胃炎の原因は多岐にわたりますが、刺激が強い飲食物の摂取やストレス、食物アレルギーのほか、解熱鎮痛薬などの薬剤や感染症が原因になることもあります。

急性胃炎の多くは、原因を取り除いて胃を安静にすることで症状が治まります。症状の程度によっては、輸液*のほか胃酸を中和する制酸薬や胃粘膜の保護薬などを使用する場合もあります。

*点滴などで栄養や水分などを注入すること 

原因

急性胃炎の原因は多岐にわたりますが、外因的な要因と内因的な要因の2つに大別されます。

主な外因的な要因としては、以下が挙げられます。

  • アルコールやコーヒー、香辛料など胃粘膜を刺激する飲食物の過量摂取
  • 過度に熱い、または冷たい飲食物の摂取
  • 腐食性の硫酸や苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)などの誤飲
  • ストレス
  • 非ステロイド系抗炎症薬や抗菌薬などの服用

一方、内因的な要因としては、特定の食品に対するアレルギー反応や、アニサキス、ヘリコバクター・ピロリ菌、インフルエンザなどの感染が挙げられます。

 

症状

急性胃炎を発症すると、みぞおち辺りの不快感やむかつき、キリキリとした痛み、吐き気、嘔吐などの消化器症状が生じます。胃の粘膜のダメージが強い場合には、粘膜から出血することで黒色便や吐血、貧血症状がみられることもあります。

一般的にこれらの症状は、発症原因が加わってから数時間後~24時間以内に生じることが多いとされています。また、アレルギー反応が原因の場合は蕁麻疹(じんましん)などのアレルギー症状を、細菌やウイルス感染が原因の場合には発熱や下痢などの症状を伴うことがあります。
 

検査・診断

急性胃炎が疑われるときには、原因の検索や、同様の腹痛症状が現れる急性膵炎や急性虫垂炎、胃・十二指腸潰瘍(かいよう)胆石症、急性胆嚢炎などとの鑑別が必要です。

まず、服薬歴、食事内容、ストレスの有無や痛みの箇所、程度、性質などを確認したうえで、以下のような検査が必要となります。

内視鏡検査

胃粘膜の発赤、浮腫、びらんなどの状態を詳しく観察できる検査です。吐血や黒色便など、粘膜からの出血が疑われる場合は内視鏡検査が不可欠です。

画像検査

ほかの病気との鑑別や、胃や周囲の臓器の異常、胃穿孔(いせんこう)の有無などを調べるため、超音波やX線などを用いた画像検査を行います。

血液検査

原因や貧血などの症状の重症度を調べるために、白血球、ヘモグロビンなどの血液検査を行います。

治療

急性胃炎の多くは、原因を取り除き、絶食などにより胃を安静にすることで症状が治まります。症状の程度によっては補液や制酸薬、胃粘膜保護薬などによる薬物療法を行うこともあります。

一方、胃粘膜からの出血が疑われる場合は内視鏡を使った検査や止血処置を行うこともあります。

予防

急性胃炎の原因は多岐にわたりますが、予防のためにはできる限り原因を避けることが大切です。

社会生活におけるストレスが原因となっている場合には、定期的に休息を取り充分な睡眠を確保することなどが大切です。

飲食に関しては、アルコールやコーヒー、香辛料などの取り過ぎに注意しましょう。

また、非ステロイド系抗炎症薬や抗菌薬などは医師や薬剤師の指示に従って内服するほか、アレルギーが疑われる食品を避けること、感染症が流行している時期は感染対策を行うことなども予防につながります。

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