原因
男女の性別は、赤ちゃんがもつ性染色体によって規定されます。性染色体の組み合わせが「XY」だと男性に、「XX」の組み合わせだと女性になります。こうした性染色体の組み合わせに応じて、XYの組み合わせであれば性腺は精巣に、XXであれば卵巣がつくられます。「性腺」は、配偶子(精巣→精子・卵巣→卵子)を作ると同時に性ホルモン(男性ホルモン・女性ホルモン)を産生します。
特に男性ホルモンの量は性分化においては重要な意味合いを持っており、男性ホルモンが存在すると性腺は精巣へと分化し、男性ホルモンが十分量はたらかない状況では卵巣へと変化します。さらに、性腺の分化に対して重要なはたらきをするのみに限らず、その他の内性器(子宮や卵管、精巣上体、前立腺など、男女いずれかにしか存在しない臓器)や外性器(陰茎や陰唇など)が形付けられていきます。こうした過程に異常が生じることを原因として、性分化疾患は発症します。
男性ホルモンは、精巣以外にも副腎でも産生されています。そのため、副腎において過剰に男性ホルモンが産生される場合、本来は女児であるはずなのに外性器が男性のようになってしまう性分化疾患もあります。また、性染色体の組み合わせは「XY」と「XX」のいずれかなのが正常ですが、性染色体の組み合わせに異常が生じることを原因として性分化疾患を発症することもあります。さらに、男性ホルモンはうまく産生されるのに、うまく臓器に対して作用できないといった状況でも性分化疾患発症になりえ、精巣女性化症候群と呼ばれています。
医師の方へ
「性分化異常症」を登録すると、新着の情報をお知らせします