症状
湿疹とは、皮膚の炎症によって生じる病変のことであり、かゆみを伴う紅斑を生じ、続いて丘疹になります。さらに丘疹は水疱や膿疱、びらん、痂皮などを形成して、さらに進行すると色素沈着や苔癬化を生じます。手湿疹は長期間の刺激やアレルゲン曝露によって引き起こされる皮膚炎であるため、特定の段階の皮疹が見られるのではなく、さまざまな段階の皮疹が混在しているのが特徴です。
手湿疹の原因としてもっとも多い物理的・化学的刺激によるものでは、一般的に利き手の指先や爪の周りなどから皮疹が現れ、やがて手全体に広がっていきます。皮膚症状は軽度な紅斑や乾燥などからはじまり、刺激が長期間に及んだ場合や短期間に非常に強い刺激が加わった場合には水疱を生じ、炎症が慢性化すると皮膚が乾燥した状態で肥厚(苔癬化)して、指先などを中心に皮膚に亀裂が入るようになります。
また、アレルギーによるものでは、物理的・化学的刺激で生じる湿疹よりも重度なことが多く、強いかゆみを伴う水疱や紅斑を生じることも少なくありません。湿疹はアレルゲンに曝露された部位から生じ、指の間や側面などのアレルゲンが残りやすい部位に生じやすいとされています。
さらに、アトピー性皮膚炎によるものでは、主に手の甲に苔癬化を伴う紅斑や水疱、丘疹などが見られます。皮膚のバリア機能が低下しているため、外的な刺激に弱く、悪化しやすいのが特徴です。
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