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Brain
核黄疸
核黄疸(かくおうだん)とは、新生児期の赤ちゃんに生理的な範囲を大きく超えた黄疸が生じ、持続することで起こる脳の障害です。 生まれてから数日の赤ちゃんには、皮膚や白目の部分が黄色くなる生理的...
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脳

核黄疸かくおうだん (別:ビリルビン脳症)

更新日時: 2018 年 09 月 06 日【更新履歴
更新履歴
2018 年 09 月 06 日
更新しました。
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
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概要

核黄疸(かくおうだん)とは、新生児期の赤ちゃんに生理的な範囲を大きく超えた黄疸が生じ、持続することで起こる脳の障害です。

生まれてから数日の赤ちゃんには、皮膚や白目の部分が黄色くなる生理的黄疸(せいりてきおうだん)が生じることがあります。多くの赤ちゃんが経験する生理的黄疸は、一時的にビリルビンという物質が増えるために起こる生理的な現象です。

核黄疸とは、生理現象の範囲を超えたビリルビンの増加と持続により、脳にビリルビンが沈着することで起こります。核黄疸は脳性麻痺や難聴などの原因となることがあるため、早期発見・早期治療が重要です。そのため、核黄疸はビリルビン脳症とも呼称されます。

原因

核黄疸の原因は、増加したビリルビンが大脳の基底核(きていかく)海馬(かいば)などに沈着し、脳の神経細胞を障害することです。

メカニズム

ビリルビンは生理的黄疸の原因にもなる物質です。生後2~3日頃から確認されることが多い生理的黄疸は、出生を機に胎児期特有の赤血球が壊れ、血液中にビリルビンが増えることで起こります。生理的黄疸の場合、血液中のビリルビンはアルブミンという物質と結合し、肝臓へと運ばれて処理されます。アルブミンと結合したビリルビンは、血液脳関門(けつえきのうかんもん)を通過できないため、脳へ到達することはありません。

しかし、生理的範囲を大きく超えて増加したビリルビンの一部は血液中でアルブミンと結合せず、分子量の小さい遊離型ビリルビンとなります。この遊離型ビリルビンは血液脳関門を通過することが可能で、脳へ到達して核黄疸の原因となることがあります。

ビリルビンが増加する原因

ビリルビンが生理的範囲を超えて上昇する原因は多様です。一例として、ABO血液型不適合やRh不適合、赤血球の破壊(溶血)が活発になっていること、などが挙げられます。

核黄疸のリスク因子

以下のような因子が核黄疸のリスクを高めると考えられています。

  • 未熟児
  • 溶血
  • 新生児仮死
  • 代謝性アシドーシス
  • 呼吸ひっ迫
  • 低体温
  • 低タンパク血症
  • 低血糖
  • 感染症
  • 頭蓋内出血
  • 薬剤

などがあります。

 

症状

初期症状

皮膚や白目の部分が黄色くなる黄疸症状がみられます。

また、以下のような神経症状が現れることがあります。

  • 傾眠(けいみん):うとうとしている軽度の意識障害のことです。
  • 筋緊張低下:筋肉の緊張が弱まることです。仰向きに寝かせたとき、手足を伸ばした蛙肢位という姿勢をとることがあります。
  • 哺乳力低下:ミルクを飲む力が弱くなることです。

などが挙げられます。

進行症状

核黄疸が進行すると、以下の症状が現れることがあります。

  • 腕や足の麻痺
  • 発熱
  • 後弓反張(こうきゅうはんちょう):背中を反らせるような姿勢をとることです。
  • 落陽現象(らくようげんしょう):黒目が下まぶたに入り込むような現象のことです。水平線に夕陽が沈むような様であることから、落陽現象と呼ばれます。

このような症状に続いて、唇や皮膚が青紫色になるチアノーゼ発作やけいれんを起こし、脳性麻痺に至ることがあります。

検査・診断

日本では赤ちゃんの病的黄疸を早期に発見するために、出生直後の入院期間から経皮的ビリルビン濃度測定法を用いたスクリーニング検査が行われています。

スクリーニング検査が陽性の場合や、黄疸の出現時期が早い(目安は生後24時間以内)など、病的黄疸が疑われる場合には血液検査により血清ビリルビン値を確認します。

血清ビリルビン値が生理的範囲を超える高値を示している場合は、黄疸の原因を特定するための診察や検査が行われます。診断には、赤ちゃんの哺乳状況や母子それぞれの病歴、お母さんの服薬状況などの情報が役立ちます。問診時に正しく伝えましょう。

 

治療

検査の結果、治療開始基準を満たしている場合、ビリルビンの処理を促す目的で光線療法や交換輸血が行われます。治療方法は、赤ちゃんの出生体重や日齢、血清ビリルビン値などをみて選択されます。

光線療法

皮膚に蛍光白色光などの光を照射する治療方法です。ビリルビンを水に溶ける性質へと変え、胆汁のなかへ出すことを目的として行われます。

交換輸血

ビリルビン濃度の高くなった血液を体外へと排出する目的で行われる治療方法です。動脈から血液を出し、同時に静脈から輸血を行います。

交換輸血は光線療法では対応できない場合など、核黄疸のリスクが高い場合に行われます。

その他

このほか、患者さんの状態や、ビリルビンが増加している原因により、アルブミン製剤の投与やガンマグロブリン大量療法が検討されることもあります。

核黄疸の進行症状には、脳性麻痺や難聴など後遺症として残りうる症状があります。そのため、これらの症状が現れる前に治療を始めることが重視されています。光線療法や交換輸血の確立により、日本では核黄疸により脳性麻痺に至るケースは大きく減ったといわれています。