症状
水頭症はいずれの種類でも脳室の拡大という共通した現象が現れますが、非交通性水頭症と交通性水頭症では症状の現れ方が異なります。
非交通性水頭症
非交通性水頭症は、中脳水道狭窄症など生まれつきの病気によって発症しやすいタイプの水頭症です。乳児期は頭蓋骨を構成する骨同士が完全にくっついていないため、水頭症を発症すると脳の拡大に伴って頭囲も拡大するのが特徴です。
一方、乳児期以降で頭蓋骨の骨が完全にくっついた後に発症すると、頭囲の拡大は生じず、脳室の拡大に伴って脳圧(脳の中の圧力)が上昇し、頭痛や吐き気・嘔吐、意識障害など“頭蓋内圧亢進症状”と呼ばれる症状が現れます。
交通性水頭症
交通性水頭症は成人に多く見られるタイプの水頭症です。非交通性水頭症と同じく脳室の拡大は生じますが、脳室内の脳脊髄液の循環経路自体は正常であるため、脳圧は非交通性水頭症よりも上昇せず正常値であることが多いといわれています。そのため、頭痛や嘔吐などの症状が現れることはほとんどないとされています。
また、脳圧が正常値の水頭症を“正常圧水頭症”と呼びますが、このタイプでは歩行障害、認知機能障害、尿失禁の3つの特徴的な症状が現れます。高齢者に多く見られる水頭症ですが、加齢によって現れる身体的変化と症状が似ているため、発見されずにいるケースも多いと考えられています。
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