症状
炭疽菌に感染した場合、感染経路が皮膚であれば皮膚が障害され、経口感染では腸、吸入感染では肺が障害を受けます。そのため、感染経路によって症状が大きく異なります。
皮膚炭疽
1~7日の潜伏期間を経て、感染した皮膚に発疹が出現します。通常痛みはありませんが、かゆみを伴うことがあります。
また、この発疹の周囲に水疱ができ、やがて水疱が破れて黒いかさぶたになります。近くのリンパ節に感染が及ぶほか、血液中で菌が増殖して敗血症を起こすこともあります。未治療の場合、致死率は10~20%とされています。
腸炭疽
感染動物の肉や食品を食べた後、2~5日程度で発症し、嘔吐、悪心、食欲不振、発熱などの症状が現れます。激しい腹痛や吐血、血液の混じった下痢がみられることもあります。
このような症状の後にショック、死亡に至ることがあり、未治療の場合の致死率は25~50%とされています。
肺炭疽
飛散した炭疽菌の芽胞を吸入することによって、初めは軽度の発熱や全身倦怠感、筋肉痛など、インフルエンザ様の症状がみられます。数日すると発熱、呼吸困難、発汗、チアノーゼなどが出現し、この段階になると通常24時間以内に死に至ります。
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