症状
甲状腺眼症では、眼窩周囲に存在する外眼筋や脂肪組織に炎症が起こります。炎症が起こると外眼筋や脂肪組織が腫れ、眼窩内の圧力が上昇することで眼球が前方に押し出されます(眼球突出)。また、外眼筋の炎症や腫れにより、眼球の動きが制限されたり、両目の動きにずれが生じたりします。その結果、物が二重に見える“複視”や、両目の視線が一致しない“斜視”などの症状が現れます。眼窩内の圧力が高い状態が続くと、瞼の腫れ、目の痛み、充血が生じます。進行すると視神経を圧迫して視力低下を引き起こします。
甲状腺眼症でみられる症状
- 目の周りや目の奥の痛み
- 白目部分の腫れ、充血
- 涙目……過度の涙の分泌
- 眼球突出……目が前に飛び出したようにみえる
- 眼球運動障害……目を動かしにくくなる
- 複視……物が二重に見える
- 斜視……両目の視線が一致しない
- 視力の低下
- 視野が欠けて見える範囲が狭くなる
これらの症状は、朝起きたときにもっとも強く現れ、日中に軽快することがあります。バセドウ病や橋本病に甲状腺眼症を合併することが多いですが、目の症状よりも先に甲状腺機能の異常による全身症状が出ることもあれば、目の症状が先に出現し眼科を受診してはじめて甲状腺の異常が発見されることもあります。
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