原因
病的骨折の原因となる疾患には、骨に発生するがん、骨に転移したがん、などがあります。病的骨折は、これらの病気により骨が弱くなっており、軽微な外力がかかったときなどに発生します。
骨に発生するがん(原発性悪性骨腫瘍)
骨に発生するがんには、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨巨細胞腫などがあります。これらのがんが進行すると、がんが発生した部位の骨が脆くなり、病的骨折を起こすことがあります。好発部位は以下のとおりです。
- 骨肉腫:膝や肩の周囲の骨に発生しやすい。
- 軟骨肉腫:太ももの骨(大腿骨)や骨盤、上腕の骨に発生しやすい。
- ユーイング肉腫:大腿骨や骨盤、脊椎(背骨)に発生しやすい。
これらの原発性悪性骨腫瘍の患者数は少なく、「希少がん」の代表とされています。
骨に転移したがん(転移性骨腫瘍)
原発性悪性骨腫瘍とは異なり、もともと他の臓器で発生したがんが、血液やリンパの流れにのって骨に転移するものを指します。骨転移することが多いがんとしては、肺がんや乳がん、前立腺がんなどが知られています。
転移しやすい部位はがんの種類により変わりますが、脊椎、骨盤、肋骨などの体幹部、大腿骨や上腕骨などの体幹に近い四肢長管骨(手足の長い骨)などに多いといわれています。
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