原因
糖尿病網膜症は、高血圧症や脂質異常症なども発症や進行に強く関わってきますが、主な原因は高血糖です。また、糖尿病を患ってからの期間が長いほど糖尿病網膜症の有病率は高く、病気の重症度は高くなるとされています。
インスリン分泌量の低下やインスリン抵抗性**を引き起こす複数の遺伝因子に、食べ過ぎや運動不足などの生活習慣や肥満が加わって発症すると考えられている2型糖尿病では、糖尿病の発症時期を特定することが難しく、早期に診断できない場合があります。そのため、糖尿病と診断された時には、すでに糖尿病網膜症になっている人が約3割いるといわれています。
一方で、自己免疫が主な原因で発症する1型糖尿病では、思春期より前に視力低下を引き起こすほどの重症の糖尿病網膜症を発症することは少ないといわれています。日本では成人になってから1型糖尿病を発症する方が多くいます。しかし、そのようなケースでは、1型糖尿病を発症してから糖尿病網膜症を発症する時期について十分なデータはありません。ただし、海外のデータでは2型糖尿病と同様に、1型糖尿病の罹病期間が長くなると糖尿病網膜症の発症リスクが高くなることが示されています。
**インスリン抵抗性……インスリンは分泌されていてもそれに対するからだの組織の反応が乏しいこと
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