検査・診断
結核の検査目的には、大きく分けて二つのものがあります。ひとつは、感染者との接触等をきっかけとした感染の有無を確認します。ふたつめは、結核を疑う症状(体重減少や咳、血痰など)を伴う人に対する発症の有無の確認です。
感染の有無をチェックする検査には、主にインターフェロンガンマ遊離試験(IGRA)という血液検査と、皮膚内に薬を注入して反応をみるツベルクリン反応があります。IGRAは、結核菌に対しての感染状況を判定でき、血液検査ですむ検査です。ツベルクリン反応は、定期接種に結核の予防接種(BCG)が導入されている日本では、BCG接種後にツベルクリン反応がでるため、検査結果の解釈が難しいことがあります。また喀痰や胃液を用いて、培養や遺伝子検査で結核菌の有無をみる検査も行われます。
結核の発症が疑われる場合は、発症した臓器に結核菌がいるかどうかの培養や遺伝子検査が行われます。また、胸部レントゲン写真や胸部CT検査などの画像検査、髄液や骨髄の検査が行われることがあります。
培養検査で陽性になると、薬剤感受性の検査を行うことができます。小児では結核菌がはえにくいですが、感染源となった患者さんから培養された結核菌の薬剤感受性結果を参考にすることもできます。
小児の結核の診断は、さまざまな検査を総合して行っても、確定診断や違うと診断することが難しいことがあります。そこで重要なのは、問診で排菌している患者さんとの接触がどのくらい濃密にあったかを聞くことです。同居家族など、狭い空間で濃密に長い時間の接触があった場合には、検査がすべて陰性でも、検査で否定することが難しいので、感染したものとして結核と診断することもあります。
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