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結核(こども)
結核とは、結核菌(Mycobactrium tuberculosis)に感染することによって発症する疾患を指します。戦前の日本における衛生環境は非常に悪く、結核を始めとする感染症の流行や、それに...
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肺
更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
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2017 年 04 月 25 日
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結核(こども)とは

結核とは、結核菌(Mycobactrium tuberculosis)に感染することによって発症する疾患を指します。戦前の日本における衛生環境は非常に悪く、結核を始めとする感染症の流行や、それに伴う死亡率はとても高い水準にありました。しかし終戦を前後して導入された予防接種、レントゲン診断、結核治療薬(ストレプトマイシン)などが功を制し、1947年の死亡総数146,241人をピークとし以後減少の一途をたどりました。
しかしながら、現在においても毎年18,000人前後の発症数並びに2,000人前後の死亡者数を認めています。この数字は先進諸国の中から見ても極めて高いものであり、まだまだ結核は過去の病気ではありません。
その一方で、小児の結核について着目すると、年間新たに結核と診断されるお子さんは50例前後であり、世界的に見てもこの数字は低い部類に入ります。小児の結核の疫学的な特徴として、0〜2歳まで及び中高校生にピークがあることを挙げることができます。成人世代における結核はまだまだ稀ではなく、家族内で親から子供に結核がうつることを反映していると考えられます。また、近年日本語学習を目的として日本へ留学に来る外国籍の学生が多くなってきていますが、結核が流行している外国からの持ち込み例も少なくないと考えられます。

その他、こちらも参照ください。
https://medicalnote.jp/contents/150602-000006-BHDSOF

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原因

結核は結核菌(Mycobactrium tuberculosis)に感染することで引き起こされる感染症です。空気中に存在する結核菌を吸い込むことが感染(空気感染)のきっかけになるため、まず肺に影響が及ぶことが多いです。体内に取り込まれた結核菌は、その後血液やリンパの流れに乗じて身体中に広がり重症化することもあります。結核菌が肺に留まるのか、またはさらに全身に広がるかは、感染者の免疫力に応じて大きく経過が異なってきます。すなわち、健康な人が結核菌に感染したとしてもうまく結核菌の活動を抑えることができますが、その一方で免疫力が何らかの原因で低下した場合(例えばステロイドを長期に飲んでいる、癌を煩っている、HIVに感染している、など)には、結核菌の活動を抑制できなくなります。
小児における結核を考える上で、こうした「感染者の免疫力」に注目することはとても大切です。乳幼児はまだまだ免疫力が弱く、様々な感染症にかかりやすく重症化しやすい時期です。このことを反映し、新生児や乳幼児における結核は全身に症状が出現する危険性が高いです(初感染結核と呼びます)。その一方、ある年齢層(学童期)以降になると感染症に対する免疫力も付くことから、結核菌に感染したとしてもすぐに結核を発症することは少なくなります。ただし、気付かないまま体内に結核菌を抱えることにもなり、集団感染の起点となってしまうという特徴もあります。


その他、こちらも参照ください。
https://medicalnote.jp/contents/150508-000004-QPWHHP

症状

乳幼児の結核においては、全身に結核が広がる危険性が高いことから、「粟粒結核」や「結核性髄膜炎」など重篤な病気な合併症を引き起こすこともあります。しかし、年齢的なことも相まって不機嫌、活発力の低下、体重減少、微熱など症状の訴えはハッキリしないこともあります。そのため、結核の診断・治療が遅れてしまうことがありうることに留意が必要であり、家族歴や予防接種歴(BCG)等に重点を置いた詳細な問診・身体診察が大切です。
学童期前後で発症する結核については、成人のそれと類似するようになります。すなわち、肺に病変を伴うことが多く、咳や血痰など肺に特徴的な症状を認めるようになります。もちろん、乳幼児で見るような曖昧な症状を伴うこともしばしばです。


その他、こちらも参照ください。
https://medicalnote.jp/contents/150602-000006-BHDSOF

検査・診断

結核の検査目的には、大きく分けて2つのものがあります。すなわち、感染者との接触等をきっかけとして当事者も感染をしているかなどをスクリーニングする意味合いのもの(=感染の有無)と、結核を疑わせる症状(体重減少や咳、血痰など)を伴う人に対して結核を発症しているかどうかを判断するもの(=発症の有無)、の2つです。
スクリーニング(すなわち感染の有無をチェックする)の検査には、主にインターフェロンガンマ遊離試験(IGRA)という血液検査と、皮膚内に薬を注入して行うツベルクリン反応があります。IGRAは乳幼児に対しては検査感度の関係から実施することはできませんが、小学生以上はIGRAを行います。とても感度よく結核菌に対しての感染状況を判定でき、一回の血液検査ですむ簡便な検査です。
一方のツベルクリン反応は、IGRAが開発される前に広く日本で導入されていました。しかし、定期接種に結核の予防接種(BCG)が導入されている日本では、検査結果を正しく判定できなことも多く、また結果判定までに2日かかるという煩雑さもあります。そのため、現在はツベルクリン反応が行われることは少なくなってきています。
これらスクリーニングの意味合いとは異なり、慢性的に咳がでる、スクリーニングの検査で陽性反応が出た等の場合には、結核が発症していないかを検討します。胸部レントゲン写真や胸部CT検査などの画像検査が行われたり、痰の中に結核菌を疑わせる証拠がないかを検討したりします。


その他、こちらを参照ください。
https://medicalnote.jp/contents/150603-000001-CIOJUR
 

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治療

結核の治療には大きく分けて、予防的な意味合いのものと、活動性の結核を抑える治療的な意味合いのものの二つに分けることができます。予防的なものには、結核菌にそもそも感染しない努力(すなわち予防接種)と、感染はしているが発症しないようにする薬物治療(すなわち発症の予防)があります。
乳幼児の場合は、結核に感染をすると重症化しやすいこともあり、生後1歳未満のうちにBCG接種を行うことが予防接種法で義務付けられています。一般的には、生後5ヶ月から8ヶ月の間に接種することが推奨されています。
また症状はないながらもスクリーニング検査で結核菌が体内にいることが判明した場合や、結核を発症した人と接触した場合には、抗結核薬の一種である「イソニアジド」を6か月から9か月内服することがあります。


詳しくはこちらを参照ください。
https://medicalnote.jp/contents/150509-000001- FJCZNI


結核が実際に活動をしており、肺結核や髄膜炎などを発症している場合には、より強固な治療方法が選択されます。抗結核薬としては、先に挙げたイソニアジドに加えて、リファンピシン、ピラジナミド、ストレプトマイシンの4種類が挙げられます。結核菌が薬に対して耐性を獲得してしまうと、治療に難渋することが懸念されます。このことを避けるために、作用機序の異なる薬を複数種類併用します。また、小児のよく見る感染症においては、数日から1週間程度の経過で治療が済むことが多いですが、結核の場合は4か月以上の内服継続が必要になります。
結核治療薬は肝臓や腎臓、神経などに障害が起きやすいことも知られています。副作用の早期発見のためにも、副作用が疑われる症状を理解することや、定期的な血液検査を受けることがとても大切です。子供は、副作用に伴う症状があっても自分自身で言葉を発することができません。また、年齢に応じた正常な成長発達が出来るように周囲がサポートすることも大切であり、成人と比べて別の観点からの経過観察が必要となります。


その他、こちらも参照ください。
https://medicalnote.jp/contents/150509-000003-VETOKZ

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