原因
結核は結核菌に感染することで引き起こされる感染症です。排菌している患者さんの咳などで結核菌が空気中に飛び、結核菌を肺に吸い込むことで空気感染します。
結核菌は、肺から近くのリンパの流れに乗って、リンパ節で増殖をします。増殖した結核菌がやがて肺に病変を作ることが多く、学童から成人でよくみられます。一方、乳幼児では、肺結核になることもありますが、結核菌が身体中に広がり、重症化することがあります。結核菌が肺に留まるのか、さらに全身に広がるかは、感染者の免疫力で経過が異なることが多いです。
また、結核菌に感染しても、活動性の病気をきたさない潜在性結核という病態があります。放置しておくと、そのまま発症しないこともありますが、一部の患者さんは、肺結核などの活動性の病気に進展するので、潜在性結核でも治療対象になります。
活動性の病変では、肺に病変を作る肺結核が多いですが、あらゆる臓器に感染することがあります。乳幼児では、免疫の機能が発達途上のため、結核菌に感染すると、全身に結核菌が拡散する栗粒結核、脳神経に侵入して結核性髄膜炎などを起こす頻度が高いといわれています。またHIVや治療で免疫を抑制する薬(ステロイドなど)を使用することもリスクとされています。
小児結核と診断された場合、周囲に排菌している結核患者さんがいるため、感染経路の特定が必須となります。
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