けつまくかしゅっけつ

結膜下出血

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概要

結膜下出血とは、白目の部分にあたる結膜(けつまく)と呼ばれる部分の下に出血を来した状態です。比較的頻度の高い症状ですが、見た目以外の症状を伴うことはほとんどなく、自然に治ることが多いです。

結膜には多くの血管が存在しています。寝不足やパソコンの使い過ぎ、アレルギー性結膜炎などで結膜の血管が拡張すると充血を自覚することが多いです。結膜下出血は充血とは異なり、血管が破れてしまい血液が結膜の下に漏れ出てしまっている状態です。

原因

結膜下出血では外傷や結膜炎などが原因となっている場合もありますが、原因を特定できない場合も多いです。原因を特定できない結膜下出血を特発性結膜下出血と呼びます。特発性結膜下出血は、50歳代に多く発症するといわれています。

一方、糖尿病や白血病、感染症などの基礎疾患が背後に隠れていて、それらの一症状として結膜下出血が生じることもあります。原因は、目に関連したもの、全身疾患に関連したものに分類することが可能です。

目に直接関連した原因

原因のひとつに、結膜弛緩(けつまくしかん)と呼ばれるものが知られています。結膜弛緩とは白目のしわが増えることを指しますが、40歳頃から始まり50歳頃に顕著に現れます。結膜弛緩では、膜がたるむだけでなく目の血管も折れ曲がった状態になるため、まばたきする際に、たるんだ結膜が眼球内で動き回り、その摩擦で血管が破れやすくなってしまいます。

そのほか、目に関連した結膜下出血の原因としては、眼球打撲や骨折などの外傷、アレルギー性結膜炎や細菌性・ウイルス性結膜炎などがあります。アレルギー性結膜炎では充血とかゆみを伴うため、目を強くこすってしまうことで二次的に結膜下出血を生じることになります。

眼球の血圧が上がることも結膜下出血と関連していますが、「いきみ」により頭部の静脈灌流圧(かんりゅうあつ)が上昇したときに、破綻性出血をおこします。具体的には重いものを持ったとき・ふんばったとき・強いストレスを感じたとき・激しく怒ったときに生じる場合があります。

全身疾患に関連した原因

原因となりうるものとしては、高血圧症や動脈硬化症などの循環器疾患、糖尿病や高脂血症、ビタミンC欠乏症、白血病、エイズ、高山病、潜函病、抗凝固薬内服やインターフェロン治療などの薬剤性などがあります。

症状

白目の部分に出血斑が生じます。出血斑の程度も点状の出血であることもあれば、結膜全体に覆うほどの大きいものまでさまざまです。ただし、出血の量としてはごくわずかなため、貧血などの症状を伴うほど大量になることはありません。

結膜下出血では視力低下や視野狭窄などの症状を呈することはなく、ときに軽度の違和感や出血時の痛みがある程度です。結膜下出血を引き起こしている基礎疾患が存在する場合には、それら基礎疾患に関連した症状を伴うことがあります。たとえばアレルギー性結膜炎ではかゆみや目やに、目の充血などを認めることがあります。そのほか、白血病であれば結膜以外の部位(たとえば口腔粘膜や下肢など)に出血傾向を示唆する出血斑・紫斑などを認めるほか、さらに易感染性を反映して発熱などの全身症状を併発することもあります。

検査・診断

結膜下出血の診断は、基本的には視診と細隙灯顕微鏡検査をもとに行われます。大きな衝撃を伴う外傷機転があると眼底出血や骨折の可能性もあるため、眼底検査やCTなどの画像検査が行われることがあります。そのほか、基礎疾患を疑わせるような診察所見がある場合には、必要に応じた血液検査などが検討されることになります。

治療

結膜下出血の多くを占める特発性結膜下出血は、痛み・目やに・視力障害などを伴わないため、無治療で経過観察を行うことになります。特発性結膜下出血は、無治療であっても1~2週間で自然に治ることが期待できます。また、運動制限など日常生活での制限もなく、通常通りの生活を送ることが可能です。

原因がはっきりとわかっている場合は、そちらの治療が必要になります。結膜下出血の予防はできませんが、何度も繰り返して出血する場合は別の病気が潜んでいることも考えられるため、念のため全身を検査することもあります。また、結膜弛緩に関連した結膜下出血でも出血を繰り返すため、結膜下出血の再発予防の観点から結膜弛緩に対しての治療介入が行われることがあります。