しろうせいかくかしょう

脂漏性角化症

同義語
老人性疣贅
最終更新日:
2021年12月03日
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2021/12/03
更新しました
2017/04/25
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概要

脂漏性角化症とは、皮膚に茶色または黒色の少し盛り上がったできものがみられる病気です。紫外線の影響や皮膚の老化が原因と考えられており、高齢者にみられることが多いため、老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)とも呼ばれます。

できものは色調、大きさ、形状などが人によって異なり、通常の皮膚の色に近いものや黒色に近いもの、数mm程度の小さなものから数cmの大きなもの、少し盛り上がる程度のものからしこり状に飛び出たものまでさまざまです。見た目の問題以外には健康に害を及ぼすものではありません。しかし、悪性黒色腫などの悪性の病気と判別が難しいこともあるため、必要に応じて医療機関での診断が必要になります。

原因

脂漏性角化症の主な原因は、紫外線の影響や皮膚の老化です。

紫外線の刺激によって皮膚細胞が異常増殖するとともに、メラノサイトが活性してメラニン色素が増えるために色調の濃いいぼ状の病変ができると考えられています。

一般的にゆっくりと目立つようになりますが、まれにかゆみを伴って突然多発して現れる場合があります。このように多数の脂漏性角化症が急速に出現することはレーザー・トレラ徴候と呼ばれ、内臓がんを合併することがあります。

症状

脂漏性角化症の症状は数mm~数cmの円または楕円状のできものです。できものは茶色~黒色がかっており、表面がざらついていることが多いです。また、わずかに盛り上がっている場合や、しこり状に突出している場合もあります。ただし症状には個人差があり、色調が通常の皮膚の色とほとんど変わらないこともあります。いわゆるしみが変化して脂漏性角化症になることが多いです。

顔、頭部、体幹など体のさまざまな部位に現れますが、手のひらや足の裏にはまず現れません。

通常は痛みを感じることはありませんが、時折かゆみを伴います。内臓がんの合併症として現れるレーザー・トレラ徴候では、かゆみを伴う脂漏性角化症が多数みられることがあります。

検査・診断

脂漏性角化症は、見た目の特徴とダーモスコピーの結果に基づいて診断されます。ダーモスコピーは皮膚病変にダーモスコープと呼ばれる拡大鏡を当ててメラニン色素や毛細血管の状態を調べる検査で、悪性黒色腫メラノーマ)などの悪性の病気との鑑別を行います。

ダーモスコピーだけでは良性と悪性の判別がつかない場合には、組織を採取して状態を観察します。

治療

脂漏性角化症は良性の病気であり、必ずしも治療を要するものではありません。ただし、自然に消滅することはまずなく、年齢を重ねるにつれて増えていくことが多いです。

悪性の病気が疑われる場合は、病理組織検査のために手術で切除することもあります。

見た目から悪性でないことが明らかな場合は、美容の点で気になる場合にのみ凍結療法、レーザー治療、電気外科的治療などの治療を行います。

どの治療を行うかは患者の希望に応じて決められますが、無麻酔で治療可能な凍結療法が行われることが多いです。液体窒素などを用いて病変を凍結させ、1~2週程度で自然と剥がれ落ちるのを期待する治療法で、通常は数回の処置が必要になります。手術を行う場合でも、局所麻酔を用いた日帰り手術で治療可能なことが多いでしょう。

予防

脂漏性角化症は加齢とともに多くの人にみられる症状で、80歳以上の高齢者ではほぼ全ての人に現れるともいわれています。

紫外線が発症に関わっていると考えられていることから、予防のためには日焼け止めなどで紫外線を防ぐことが大切です。

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