検査・診断
肥大型心筋症は自覚症状がないことも多く、健康診断などで偶然発見されるケースも少なくありません。肥大型心筋症が疑われる場合には次のような検査が行われます。
画像検査
心臓が肥大化していることを確認するため、胸部X線検査などの画像検査を行うのが一般的です。また、心筋の状態や心機能などを詳しく評価するためにCTやMRI、ほかの心筋症を除外するために心筋シンチグラフィなどによる精密検査を行うこともあります。
心臓超音波検査
心機能や心筋の動きと合併症の有無を評価するために行う検査です。心筋肥大の状態を確認できるため、診断の鍵となります。
この検査では、血流障害の有無、合併する弁膜症や心房細動に伴う左房内血栓の有無などを評価することができます。
血液検査
肥大型心筋症の診断はできませんが、心肥大を引き起こし得るほかの病気との鑑別を行うことや全身の状態を把握する目的で血液検査を行うのが一般的です。
遺伝子検査
肥大型心筋症の約半数は遺伝が関与していると考えられており、原因となる遺伝子の変異も特定されています。そのため、遺伝子検査は診断確定に有用と考えられています。
心筋生検
心筋の一部を採取して顕微鏡で詳しく観察する検査です。肥大型心筋症では特徴的な心筋の変化がみられるため、体への負担が大きな検査ですが診断確定に有用とされています。
心電図検査
肥大型心筋症は不整脈(特に心室頻拍・心房細動)を引き起こすこともあるため、心電図検査を行うのが一般的です。不整脈の有無を確認するため、受診時だけではなく24時間の心電図モニタリング(ホルター心電図)を行うことも重要です。
また、心電図の波形の異常から心筋肥大を推測することもでき、健康診断などでこの病気が発見されるきっかけとなることもあります。
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