インタビュー

エコノミークラス症候群と肺塞栓症の注意と対策

エコノミークラス症候群と肺塞栓症の注意と対策
メディカルノート編集部 [医師監修]

メディカルノート編集部 [医師監修]

この記事の最終更新は2016年04月20日です。

平成28年4月15日、熊本県熊本地方に最大震度7の地震では、被害にあわれました方々に心からお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧をお祈りいたします。

以下、「エコノミークラス症候群肺塞栓症」の症状と予防に関する情報をまとめました。ぜひご覧ください。

長時間、飛行機のエコノミークラスにずっと座っていることで引き起こされる急性肺塞栓症は「エコノミークラス症候群」と呼ばれます。急速に起こる呼吸困難や息苦しさが特徴です。血液のかたまりは、多くの場合が足の静脈で作られます。

ほかにも、災害時に避難所などで動かない状態を続けていたりすると、肺塞栓症を起こすことがあります。足の長い時間同じ姿勢で座っていることでできた血栓がふとしたきっかけで肺の動脈に飛んでつまってしまいます。肺動脈は心臓から肺に血液を送るための血管ですが、そこがつまるとガス交換が十分に行われないため呼吸困難を起こします。

<呼吸の乱れがある場合>

たとえば呼吸数が急速に早くなった場合は注意が必要です。目安としては1分間に20回以上呼吸を行っている場合は医師、救急を呼びましょう。過換気症候群があり、この病気でも呼吸数は早くなりますが、この病気についての緊急性は高くありません。

<急速に呼吸困難が起こった場合>

たとえば急速に顔色が悪くなって息ができなくなってきた場合は一分一秒を争います。1日のうちに徐々に呼吸困難が起こってきた場合もすぐに受診した方がよいケースです。はじめは不安発作のように見えたり、失神、けいれん発作などを起こすこともあります。

<呼吸が弱い、止まっている場合>

呼吸が弱くなっている(鼻や口に手をあてたときに、気流が感じられなくなっている)、チアノーゼ(皮膚が青くなる)、ショック状態などがある場合は医師、救急を呼びましょう。

<その他の症状>

咳(血の混じったたんが出る)、胸の痛み、発熱、慢性的な息切れ、足首や脚のむくみ、脱力感など

これらの症状が数週間~数ヶ月続く場合、もしくは症状が悪くなる場合は小さな肺塞栓を起こしている場合があります。また、高齢者の場合は錯乱状態になるなど、一見、精神の乱れのような症状を起こすことがあります。

脚の血流を正常な状態に保つことが重要です。高齢者などでたくさん歩くことが難しい場合、足の関節を動かしたり、伸ばした足を上げ下げして動かすだけでも効果的です。また、マッサージなども効果が期待できるため、その場で足を動かすことも難しい場合は、ご家族などに足をマッサージしてもらうことも有効です。

度 同年代の健常者と同様の生活・仕事ができ、階段も健常者なみにのぼれる

度 歩行は同年代の健常者並にできるが、階段の上り下りは健常者なみにできない

度 健常者なみに歩けないが、自分のペースで1km(または1マイル)程度の歩行が可能

度 休みながらでなければ50m以上の歩行が不可能

度 会話や着物の着脱で息がきれ、外出ができない

※下に向かうほど重症度が高くなる(Fletcher-Hugh-Jones分類より)

 

https://medicalnote.jp/contents/150602-000003-PGQYAI

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