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急性の静脈血栓症を治療する どのような場合、特殊な器具が必要になるの...
下肢や骨盤内に形成される深部血栓は、危険なものになり得ます。血栓が肺へ飛び、血流を妨げると、命に関わる場合があるのです。このような血栓形成は深部静脈血栓症(DVT:Deepveinthrombo...
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急性の静脈血栓症を治療する どのような場合、特殊な器具が必要になるのか―そしてそうでない場合は

公開日 2015 年 10 月 30 日 | 更新日 2018 年 02 月 21 日

急性の静脈血栓症を治療する  どのような場合、特殊な器具が必要になるのか―そしてそうでない場合は

Choosing Wisely

徳田 安春 先生

群星沖縄臨床研修センター長 筑波大学客員教授 獨協大学特任教授 東邦大学客員教授 聖マリアンナ医大客員教授 慶應義塾大学非常勤講師 総合診療医学教育研究所代表取締役 Choosing Wisely Japan副代表

徳田 安春 [監修]

下肢や骨盤内に形成される深部血栓は、危険なものになり得ます。血栓が肺へ飛び、血流を妨げると、命に関わる場合があるのです。

このような血栓形成は深部静脈血栓症(DVT:Deep vein thrombosis)と呼ばれ、血栓が肺に至った病態は肺塞栓症(PE:Pulmonary embolism)と呼ばれます。

深部血栓が見つかったり、そのリスクが高まれば、下大静脈(IVC:inferior vena cava)フィルターの設置を医師から勧められるかもしれません。フィルターは、腹部の最も大きい静脈に置かれます。小さな傘のような形をしており、下半身から肺へと血栓が移動するのを妨ぐことができます。

しかし、多くの患者にとってこのフィルターは必要ありません。その理由は以下のとおりです。

フィルターは、抗凝固薬のみの治療よりも良い効果をもたらすわけではない

複数の研究結果によると、IVCフィルターは、血液をサラサラにする薬物療法単独での成績よりも効果があるわけではないということが示されています。こういった薬は「抗凝固薬」とも言われています。

フィルターの使用にはリスクがある

本来、肺塞栓症の危険がなくなれば、フィルターを一刻でも早く取り除くべきです。しかし、患者や医師が必ずしもフィルター設置後のフォローアップを例外なく行うわけではないことから、そのままにされることもあります。

フィルターが静脈に置かれたままだと、血流が妨げられかねないうえ、下肢に血栓が形成されることにもつながってしまいます。

稀なケースではありますが、フィルターやその一部分が、身体の他の場所に移動してしまうこともあり、この場合、合併症を引き起こしたり、手術が必要になることもあります。

フィルターの使用と経過観察には費用がかさむ

フィルターを置くのには、3000ドル(日本円で約36万円)以上の出費が必要になります。抗凝固薬にも同程度の費用かかり、フィルター除去にはさらに2000ドル(日本円で約24万円)以上もの費用がかかってしまいます。合併症が起こった場合は、さらなる金銭的負担がかかります。加えて、薬代や医師の診察代、入院費の必要も考えられるほか、治療期間中は仕事を休む必要もあるかもしれません。

どのような時に、IVCフィルターが必要になるのか?

深部血栓ができてしまったものの抗凝固薬を安全に服用できない場合は、IVCフィルターが必要になるかもしれません。たとえば、出血障害があったり、治療中に命に関わるような出血が起こった場合です。

肺塞栓症や出血の心配がなくなれば、一刻も早くフィルターを除去すべきで、その後は抗凝固薬を服用するのが良いでしょう。

アドバイス・コラム

血栓症-症状と予防

深部静脈と肺に血栓があることは深刻な問題ですが、見逃されやすく、また、どの年齢層でも生じうるのです。特に、肺の血栓は、重篤な病態や障害を引き起こしたり、命に関わることもあります。

血栓があるとわかったら、可能な限りはやく治療を受けましょう。そのためにも症状を知っておくのはとても大切なことです。

深部静脈血栓の症状:

  • 下肢の腫れ、疼痛(とうつう)、圧痛、発赤や変色
  • 腕に血栓ができることもあり、同様の症状が現れます

これらの症状があれば、すぐに医学的処置を受けてください。

肺の血栓による症状:

肺塞栓症(PE)では、血栓は肺に飛び、血流を妨げます。

肺塞栓症の症状:

  • 呼吸困難、頻脈、不整脈、胸痛、深呼吸時の痛み、喀血、失神

これらの症状があれば、直ちに911(日本の場合は119)にコールするか救命救急センターに行く必要があります。

深部静脈血栓を予防するには:

  • 運動習慣をつけ、太りすぎないように注意すること。
  • 長時間に及ぶフライトの場合は、水分を摂り、塩分の多い菓子類を控え、ゆったりした衣服を身につけること。一時間ごとに立ち上がって足をのばすこと。立ち上がれない場合は、姿勢を変えたり、下肢を頻繁に動かすこと。
  • 入院中や手術後等で動けない場合、血栓のリスクが高まるため、血栓予防の方法を医師に尋ねること。

※本記事は、徳田安春先生ご監修のもと、米ABIMによる “Choosing Wisely” 記事を翻訳し、一部を日本の読者向けに改稿したものです。

翻訳:Choosing Wisely翻訳チーム 学生メンバー・大阪医科大学 荘子万能

監修:小林裕貴、徳田安春先生

日本における総合診療の第一人者・オピニオンリーダーであり多数の著書で知られる。これからの適切な医療のためには従来のEvidenceに基づくものだけではなく、医師が自律してリスク、ベネフィット、コストをすべて考えていくことが大切であるとし、「Value Based Medicine」の概念を推奨している。適切な診療を行っていくための指針であるChoosing Wiselyでは日本代表を務めるなど、国際的な活動も精力的に行っている。

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