たんのうぽりーぷ

胆のうポリープ

胆のう

目次

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概要

胆のうの内側にできた20mm程度までの隆起を総称して胆のうポリープと呼びます。胆のうとは、脂肪の分解を助ける胆汁(たんじゅう)を一時的に貯蔵し、食事の際に排出する働きを担う臓器です。

胆のうポリープには、良性のものと悪性のものがあります。胆のうポリープのほとんどは治療の必要のないコレステロールポリープですが、なかには悪性の胆のうがんや腺腫など、治療が必要な病気もあります。代表的な胆のうポリープの種類は以下の通りです。

コレステロールポリープ

胆のうポリープのなかでも多くみられるタイプです。ごく小さなものは球形、やや大きいものは桑実状で茎のある形状をしています。コレステロールポリープのほとんどは10mm以下です。

過形成ポリープ

胆のう壁の内側にある上皮細胞が過剰に増殖して形成されるポリープです。

炎症性ポリープ

胆のう炎など、慢性の炎症が起こることで組織が隆起した良性のポリープです。

腺腫(せんしゅ)性ポリープ

基本的に良性だと考えられていますが、一部、腺腫からがんが発生することもあると報告されています。

胆のうがん

胆のうにできる悪性腫瘍を胆のうがんといいます。ポリープの段階で発見される胆のうがんは、早期の胆のうがんであることが多く、手術治療により完治させることが可能です。

原因

胆のうポリープができる要因として、以下のようなメタボリックシンドロームとの関係が報告されています。

  • 肥満
  • 脂質異常症(高脂血症)
  • いわゆる糖尿病や糖尿病予備軍など耐糖能異常

症状

胆のうポリープのほとんどは無症状です。そのため、検診やドッグなどの腹部超音波検査(腹部エコー検査)で偶然発見されることがほとんどです。

検査・診断

腹部超音波検査、超音波内視鏡検査、造影CT検査、内視鏡的逆行性胆道造影検査などを行います。

腹部超音波検査

お腹の表面から超音波(エコー)をあてて、胆のうや周囲の状態を観察します。痛みもなく簡単にできる検査としてよく行われている検査です。

超音波内視鏡検査(EUS)

口から内視鏡を挿入して行う検査です。内視鏡の先端に超音波のプローブを付け、お腹の内側から胆のう付近を観察します。お腹の表面からエコーをあてる検査よりも、より詳しくポリープを観察できる検査です。

造影CT検査

造影剤を使用してCTスキャンを撮影します。胆のうポリープの大きさや形、血流の様子などを詳しく確認できます。また、胆のうがんが疑われる場合には、がんの広がり、周囲の臓器やリンパ節への浸潤や転移の有無を調べ、治療方針を決定することに役立ちます。

内視鏡的逆行性胆道造影(ERC)

内視鏡を口から挿入して行う検査です。内視鏡を通して胆管にチューブを挿入し、造影剤を流して胆管や胆のうの形を調べます。胆のうがんが疑われる場合に、胆のうから細胞を採って検査することもあります(細胞診検査)。

治療

胆のうポリープの治療では、胆のうを摘出する手術が行われます。ただし、胆のうポリープの多くはコレステロールポリープという良性のものであり、発見されてもすべてが治療対象となるわけではありません。

なお、胆のうは肝臓で作られた胆汁を一時的に貯めておく臓器であり、手術で摘出したとしても体に大きな支障をきたすことはありません。術後に一時的に下痢などがみられることもありますが、次第に体が適応していきます。

手術治療

手術治療は「胆のうがんの可能性があるポリープ」がみられたときに行われます。具体的には、以下のような条件に該当する場合、治療を必要とします。

  • 胆のうポリープの大きさが10mm以上
  • 経過観察中に増大傾向がみられたもの
  • ポリープの大きさにかかわらずポリープの茎の部分が幅広いもの(広基性といいます)
  • 超音波検査で充実性低エコーを呈するもの

このほか、何らかの検査で胆のうがんがはっきりと否定できない場合にも治療を検討します。手術の方法には、お腹を切開して行う開腹胆のう摘出術と、腹腔鏡下胆嚢摘出術があります。

腹腔鏡下胆のう摘出術

腹腔鏡下胆のう摘出術では、お腹に数か所の小さな穴を開け、その穴から内視鏡や手術器具を挿入して処置を行います。開腹術に比べて体への負担が少なく、術後の回復が早いというメリットがあります。ごく小さなポリープや、胆のうがんの可能性が少ないポリープの場合には、腹腔鏡下胆嚢摘出術が選択されます。ただし、手術中の様子によっては開腹手術に変更となることもあります。

開腹胆のう摘出術

大きなポリープや、茎部分が幅広い広基性のポリープ、胆のうがんの可能性が高いポリープと考える場合には、はじめから開腹で胆嚢摘出術を行います。

経過観察

胆のうポリープが発見された時点では胆のう摘出術を行う必要はないと判断された場合、経過観察を行い変化がないかどうか定期的に検査で確認します。少なくとも5年程度は経過観察を行い、胆のうポリープの経過を追う必要があります 。急激にポリープが大きくなってきたり、形が変わったりといった変化がある場合は、胆のうがんの可能性を考えて治療を検討します。