じんせいこつしょう

腎性骨症

別名
腎性骨ジストロフィー
最終更新日:
2018年07月02日
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2018/07/02
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概要

腎性骨症とは、慢性腎臓病が進行したことを原因として発症する骨の障害のことを指します。腎性骨ジストロフィーと呼称される場合もあります。

腎性骨症という言葉自体は、骨に限局した異常を表す言葉です。しかし、慢性腎臓病が進行すると骨以外にも広く全身に異常が引き起こされることから、慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常という言葉が使用されるようになっています。

原因

腎性骨症で生じる骨の障害は、慢性腎臓病を原因として発症します。腎臓は、生体内におけるカルシウムやリンといったミネラルバランスを保つのに重要な役割を果たす臓器です。

さらに、ビタミンDもこれら電解質バランスに重要な役割を果たしますが、ビタミンDが正常に働くためには腎臓の機能が正常に働くことがとても重要です。したがって、これら機能が障害を受ける慢性腎臓病では、カルシウム、リンといったミネラルバランスが大きく乱れることになります。

体内のミネラルバランスが崩れると、それに反応する形で副甲状腺と呼ばれる首に位置する臓器からのホルモン分泌が活発になります。副甲状腺ホルモンは血液中のミネラルバランスを是正させるように働きかけ、ミネラルの貯蔵場所である骨に働きかけます。これに付随して、次は骨のバランスがうまく成り立たなくなり、腎性骨症が発症します。

症状

骨がもろく柔らかくなってしまうため、骨や関節が痛みます。また、ちょっとした外力でも骨折しやすくなります。

腎性骨症は慢性腎臓病をベースにして発症する病気であり、骨病変に付随して身体のさまざまな部位に症状が現れます。腎臓が本来持つ機能が障害されることで、尿が出なくなったり、身体がむくんだりします。

また、全身の血管にもカルシウム、リンのバランスが崩れている影響が現れ、心筋梗塞脳卒中といった重篤な病気が発症する素因を形作ることにもなります。

検査・診断

腎性骨症では、骨の代謝異常、カルシウムとリンのミネラルバランスの不調、副甲状腺機能の異常を調べることを目的として、血液検査が行われます。また、副甲状腺機能が亢進(進んでいる)している状態では副甲状腺が大きくなるため、このことを確認するために首の超音波検査やCT検査といった画像検査も行います。

腎性骨症は、骨に病変が生じる病気です。骨に対して生じる特徴的な変化を確認することを目的として、骨のレントゲン検査も行われます。

治療

原因である慢性腎臓病に対して食生活の是正、体重の管理、禁煙などの行動変容を早期の段階から行うことが大切です。

腎性骨症は、腎臓におけるビタミンDの活性化が障害されていることが発症に関わっています。そのため、内服薬としてビタミンDを補充することもあります。腎性骨症では、カルシウム製剤を使用したり、リンを制限した食事摂取をしたりもします。

また、透析の行い方を変更することもあります。副甲状腺ホルモンの分泌量を調整するために、副甲状腺を手術的に摘出することもあります。

腎性骨症は、慢性腎臓病と密接に関係する病気です。ミネラルバランスの程度や副甲状腺機能の異常の程度は、人によってさまざまです。その意味では、個々の状態に合わせた形で治療を行うことがとても重要であるといえます。したがって、医師などの指示のもと長期的に適切な治療を受けることが大切です。

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