検査・診断
自己免疫性肝炎は、血液検査において肝臓の機能を示すAST、ALT(いずれも肝細胞に多く含まれる酵素)の上昇をきっかけに発見されることが一般的です。実際の診断は、肝臓の組織の一部を採取して顕微鏡で調べる肝生検を実施し、2021年に改訂された『自己免疫肝炎(AIH)診療ガイドライン(2021年)』の診断基準に基づいて行われます。しかし、すぐに診断がつかず「自己免疫性肝炎疑い」として診療を続けるうちに、徐々にガイドラインの診断基準を満たすようになり、診断がつく場合もあります。
自己免疫性肝炎の診断基準
肝障害を引き起こす原因がほかにないことを前提条件としたうえで、以下の基準のうち3項目以上を満たすものを典型例*、1項目以上を満たすものを非典型例と診断します。
- 抗核抗体、あるいは抗平滑筋抗体が陽性である
- IgG**の値が高い
- 肝臓の組織に形質細胞浸潤など特徴的な異常がある
- ステロイド薬が効果を示す
*典型例:慢性的な肝炎がみられ、肝動脈や門脈、胆管などで構成される門脈域の線維化と拡大、単核球の浸潤(白血球やリンパ球などが炎症部位に集まる状態。中でも抗体を生産する細胞である形質細胞が多い)、肝細胞のロゼット形成(花冠様の集積)や壊死(えし)がみられることもある。
**IgG:血液中にもっとも多く存在し、免疫に関与するタンパク質(抗体)
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自己免疫性肝炎について
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