じりつしんけいしっちょうしょう

自律神経失調症

最終更新日:
2021年05月28日
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2021/05/28
更新しました
2017/04/25
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概要

自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスが崩れることで起こるさまざまな症状を総称したものです。医学的に正式な病名ではなく、診断書などで診断名として用いられる際はストレスや不安などからくる軽症うつ病や、いわゆる神経症などの症状が一部含まれてくると考えられます。

症状はさまざまで、身体的な症状としてはだるい、眠れないなどの全身症状と、頭痛、動悸、息切れなどの部分的な症状が、精神的な症状としては情緒不安定、いらいら、不安感などがあります。これらの症状があるにもかかわらず、体に医学的異常所見がなく、明らかな精神的疾患もない場合に、自律神経失調症と暫定的に診断されることがあります。

こうした背景により、自律神経失調症は誰にでも発症する可能性がありますが、不規則な生活やストレス、ホルモンの乱れなどが原因になることから、不規則な生活を送っている人やストレスを感じやすい人、更年期でホルモンバランスが乱れやすい人などに起こりやすいと考えられます。

原因

自律神経失調症は何らかの原因で自律神経の機能が乱れることによって起こります。自律神経は、交感神経と副交感神経と呼ばれる2つの反対の作用をもつ神経からなっており、交感神経は体を活発に動かすときに、副交感神経はリラックスしているときにはたらく特徴があります。

健康な人では、正反対の役割を持つこれらの神経がバランスを取りながら正常な状態を保つことができますが、ストレスやホルモンバランスの乱れによって片方の神経が過剰に興奮した状態が続くと、さまざまな症状が現れるようになります。

症状

自律神経失調症の症状はさまざまで、人によって現れやすい症状が異なります。

症状はその人にとって調子が悪くなりやすい部位に起こることが多く、たとえばお腹が痛くなりやすい人は下痢や腹痛などのお腹の症状が現れやすく、肩がこりやすい人はひどい肩こりが起こりやすくなります。また、複数の症状が一度に現れたり、治ったと思ったら別の症状が現れたりすることがあります。

自律神経失調症で現れやすい症状

倦怠感(けんたいかん)、疲労感、熱っぽい感じ、手足のしびれ、動悸、息切れ、めまい頭痛、不眠、寝汗、食欲不振、胃痛、吐き気、肩こり、背中の痛み、腰の痛み、腹痛、下痢、便秘など

検査・診断

自律神経失調症は自律神経の乱れによって引き起こされると考えられていますが、実際に自律神経のはたらきを正確に調べる方法はありません。

自律神経失調症でみられる諸症状は、ほかのさまざまな病気でもみられるありふれたものです。何らかの病気が原因になっているのであれば、検査によって病気が明らかになることがありますが、自律神経失調症の場合は検査を行っても明らかな原因が見つかりません。

そのため、症状から疑われる病気に関する検査を行っても特に異常が見つからず、ストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの乱れといった自律神経失調症を引き起こしやすい特徴がみられる場合に、この病気が疑われることがあります。

なおICD-10による分類では、F45身体表現性障害の下位分類である身体表現性自律神経機能不全に該当してきます。ここでも診断上は訴えられる症状の内容が重視され、自律神経機能検査による確定診断は必要とされていません。

治療

自律神経失調症は、ストレスや生活習慣の乱れによって引き起こされるため、これらを改善することで自然とよくなることがあります。また、症状を改善したり、不安やストレスを軽減したりするための治療薬を使うこともあります。

ストレスのコントロールと生活習慣の改善

ストレスを解消し生活習慣を整えることは、自律神経失調症を改善するもっとも重要な行動です。これらを心がけるだけでも不快な症状が大きく改善することもあります。

ストレスのコントロール

散歩や体操、入浴などの気軽にできるストレス解消法から始めてみて、自分がリラックスできる、楽しい、心地よいと思えるような時間を意識的に設けたり、趣味を持ったりすることでストレスをコントロールできることがあります。積極的に交友関係を広げることも効果的です。

また、自律訓練法やマインドフルネスが有効な場合も少なくありません。

生活習慣の改善

睡眠不足や運動不足は自律神経やホルモンバランスの乱れにつながるため、体の不調を引き起こしやすくなります。規則的な睡眠と食事、適度な運動を心がけることが重要です。

生活習慣が整っていると、ストレスに対しても柔軟に向き合えるようになります。

治療薬

薬を使った治療は、症状を改善する対症療法と、自律神経失調症の原因となりうるストレスやホルモンバランスに対する治療があります。

対症療法

実際に現れている症状を和らげるための薬を処方します。たとえば、痛みがあれば鎮痛薬が、眠れないのであれば睡眠薬が処方されます。漢方薬や自律神経を整える薬が用いられることもあります。

ストレスやホルモンバランスに対する治療

ストレスや不安、うつ症状が強いときは、抗うつ薬や抗不安薬などの使用が効果的な場合があります。また、ホルモンバランスの乱れが考えられるときは、ホルモン剤を使用することでホルモンバランスを整える治療が行われることもあります。

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